韓国俳優のキム・ソンミンが自殺を図り、搬送された病院で脳死が確認された。43歳だった。臓器提供の意思を明かしていたため、肝臓、両腎臓、両角膜が摘出され、5人の患者に提供されたという。キム・ソンミンは、2002年にドラマ『人魚姫』でデビューし、人気俳優となったが、運命が変わったのが2011年、大麻使用などの疑いで懲役2年6ヶ月、執行猶予4年の判決を受けたことだ。そして、2015年3月に再び麻薬仕様の疑いで逮捕され、懲役10か月の判決を受け、今年1月に出所していた。

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韓国では芸能人を含めた著名人が自殺をするケースが多いが、一体なぜこのようなことになるのか。27日に生放送された報道番組『AbemaPrime』(AbemaTV)で、韓国人記者の見解などを聞いた。韓国メディア「ザ・ファクト」芸能チーム長のカン・イルホン氏には、「イケキャス.」の藤原倫己が韓国語で質問をし、通訳をする形で行われた。藤原は日韓両国で芸能活動を行っており、韓国語が堪能だ。一問一答形式でこのやりとりを紹介する。

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――国内での捉えられ方は?

カン:すごく衝撃的ということもありましたが、ここ10年で20人ほどの芸能人が自殺などで亡くなっています。キム・ソンミンもそれまでに色々バラエティ番組とかドラマに出演していて、捕まるまではイメージは良かった。今回の自殺のきっかけは夫婦げんか。それでカッとして自殺をした。

――韓国の芸能人が自殺をする理由は?

カン:今は芸能界のシステムが確立されてきました。少しでも事件があれば、活動停止とかになります。ただ、彼がデビューした頃は、確立されていなかった。(怪しい誘惑など)甘いものが見逃されていたのです。

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また、番組では、「1分でわかるニュース」というコーナーがあり、ここでは「韓国の有名人の自殺が多い理由とは?」が解説された。まず、『冬のソナタ』準主役のパク・ヨンハが自殺したことについては、がんで闘病中の父の看病疲れも原因とされた。女優のチェ・ジンシルはネットのデマに苦しみ自殺をしたという。元大統領のノ・ムヒョン氏は金銭にまつわる疑惑があり、逮捕間近とも噂された中の自殺だった。同コーナーでは「韓国では、トラブルに巻き込まれても周囲に頼らないのが美徳とされています。命よりも世間体を大切にする。これが自殺誘発の背景かも」と仮説が立てられた。

カン氏はこうした状況になる理由については、韓国芸能界の一つの特徴をあげる。大スターと言われる人々は突然売れることが多いのだとか。そのため、メンタルの部分でついていけないことが多い。コツコツやっていれば、メンタルも少しずつ強くなり、相談できる相手も見つかり事件を起こすことも少ない。いきなり売れた人の方がこういう事件に巻き込まれやすいそうだ。

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翻って日本の場合はどうか。この日、ゲストとして出演していた1983年デビューの森尾由美の場合は?

「私達がこういうコメントをするような番組に出たら『はい』『いいえ』しか言ってはいけないと指導されていました。ガードが固かったんですよ。様々なことはマネジャーとかに相談できました。そういう意味で、気持ちで折れることはなかったです」(森尾)

さらに月曜MC・村本大輔(ウーマンラッシュアワー)によると、一発屋芸人の方が、六本木のクラブ等派手な場所へ行くのだという。下積みが長いと、「芸能界は自分とは関係ない」といった気持ちになり、こうした派手な遊びはしないようだ。だが、一旦派手な生活をした一発屋は、売れなくなり、こうした遊びをしなくなったところで孤独にさいなまれてしまうと、業界内の事情を語った。


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