4日にオンエアされたAbemaTV『AbemaPrime』のコーナー「VOTE78%」では、1週間後に参議院選挙の投開票を控え、改めて『18歳選挙権』に注目。「VOTE78%」とは、戦後最高の投票率「78%」を目指すという意味が込められたもので、新たに選挙権を持つ18歳から20歳の若者が、どんなことを考えているかに迫った。

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■現在の18歳、「1998年生まれ」とはどんな世代?

カギとなるのは、1998年という年。2001年、3歳のときに同時多発テロが発生。2008年、10歳のときにはリーマン・ショックの影響で円高が加速した。2011年、13歳のときに東日本大震災。デフレが続いた平成不況の中で育った世代なのだ。

そんな若者を詳しく研究しているところが、博報堂ブランドデザイン若者研究所。スタジオには、リーダーの原田曜平氏のほか、“研究員”の油井里紗(あぶらいりさ)さん、大澤創太(おおさわそうた)さん、木下楽人(きのしたらくと)さんが出演した。

「ゆとり教育が見なおされた、脱ゆとり教育の一期生。“ゆとりだからダメ”という表現はもう使えない。しっかりしている印象がある」

原田氏は彼らを指し、こう述べた。そして「18歳」という年齢についても言及した。

「大学進学率が50%を超える一方で、半分は高校生、社会人、既婚者など、もっとも立場がバラバラな時期。価値観が一気に変わる世代を一緒くたにしていいのかというのはありますね」

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■若者が関心のある政策は?

『18歳選挙権』が導入されて、初の国政選挙となる今回の参院選。「VOTE78%」では、参院選のカギを握るとされる若者100人に街頭調査を実施した。

「若者が関心のある政策」

1位 税金(14人)

2位 女性の社会進出(13人)

3位 教育(9人)

4位 憲法改正(8人)

4位 景気(8人)

インタビューでは、「集団的自衛権の問題があって危ないと思う」「奨学金の問題とか、教育の改善を考えてくれたらなと」「女性が子育てする環境とか、仕事との両立する関係を」「税制ですね。これからどうなるか」「改憲論ですね」などと関心の声があがる一方で、「口だけっていう感じなので、選挙には興味ない」「勝手にじゃないけど、最終的には政治家に決められちゃうイメージがある」「すぐ変わるものではないし、期待っていうものは…」と消極的な声も。

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■若者研・原田曜平氏 「満足度が高いと社会的関心低くなる」

・投票に行く 53人

・投票に行かない 45人

・考え中 2人       

※番組調べ

ちなみに今回、100人の若者にアンケートした結果、「投票に行く」と答えたのは53人だった。番組コメンテーターでジャーナリストの堀潤氏は、

「政治っていうのは、完全に利益誘導で、自分の生活を良くしたいから、“この人”にいれようと思うもの。自分がどういう“利益”を欲しているんのかっていうことがみえてくれば、投票に行く気になるけど、なんとなく『(政治や選挙に)関心ありますか?』ってきくから(投票に行く姿勢なども)漠然とする。本当に(自分が)欲しいものは何かということを考えなくちゃいけない」

と指摘。これを受けて、大澤くんや油井さんも、「就活が近づいてきて、雇用の問題は関心があります」「消費税、奨学金とかは大学生にも身近だと思うんですけど、年金とかは遠すぎて実感がない」とうなずいた。

また原田氏は、「前提として、『何か(関心があることを)挙げろ』っていうから挙げているんであって、実際は“なんにも関心がない”というのが本当のところではないか。僕は海外でも仕事をしているが、海外からすると日本の若者は恵まれている、という声はよくきく。パラサイト率も高いし、満足度が高いと社会的関心が低くなり、身近なものにしか興味がなくなる。でも(政治は)シルバーデモクラシーで、高齢者向けのことばかりいう」とコメントした。

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■村本大輔が告白「選挙行ったことない」

ここで番組MCのお笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔が、かなりためらないながらも思い切った様子で、とあることを告白。

「選挙、(投票に)行ったことないんです。興味をもったことがない。何が変わんねんっていう。何かが変わった例が身近にないから、投票に行こうと、突き動かされるものがあんまりない。もしかしたらですけど、『めんどくさい』という言い訳に勝るものがないんですよ。悪い政治家ばっかりテレビでみるし、あの人にいれて具体的に何が変わったっていう実感がない」(村本)

その村本に、原田氏が「でも、後輩芸人さんたちが皆行き始めたら? ヤバイと思わないですか? 今回(18歳選挙権というのは)そういう(18歳が投票にいくことで、上の世代への意識づけになるという)ことを狙っていると思う」といえば、堀氏も「今は平和ですよ。でもこれから外出たときに、村本さん、さっきの発言は社会の秩序を乱しますよ! としょっぴかれる世の中は、イヤでしょ? 今回(の選挙では)、そういうところに着目してみるといいかもしれません」と、村本にとって政治が身近に感じられるかもしれないヒントを示唆。

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次の選挙には投票に行くのかと問われると、村本は、

「選挙も、何か(投票にいく)きっかけを与えるような運動をしてもらいたい。選挙行けっていうのは聞き飽きてるんですよ、選挙行かなあかんっていう危機感…」

と訴え、「『居酒屋むらじゅん』(※村本と堀氏が、さまざまなニュースについて居酒屋でトークを繰り広げる不定期企画)で説得してくださいよ!」とも。投票に行かない若者の声を代表したかのような村本の告白に、堀氏もTwitterに

「『投票に行ったことがない』といえるのが、この人の強さだな。高みに立った意見しかない議論よりよっぽど面白いなぁ。村本大輔、最高か。(←エゴサーチ用にも)」

と投稿。

村本の発言に対し、Twitterには、

「投票に行かない"事に一定の信念を感じるので違和感がありませんでした。

村本さんの様な考えの方々が投票で意思表示出来る様な仕組みになったら選挙そのものが大きく変革するのではと思います」

という声のほか、投票に行っていたという人からも、

「選挙に行ったことない村本さんの気持ちは理解できる。私は今まで選挙は行ってきたけど、深く考えて行ってたかというとそういう訳ではない。そういう意味では村本さんと共通するものがある。権利だと思ってなかった。義務感で行っていたなぁ。今度の参院選は真剣に行こうと思ってるけど」

と、“ただ行っていただけ”で、“何か確固たる考えや信念があって投票した”わけではなかったと振り返るコメントがみられた。

投票に対する姿勢を改めて考えなおしたという人もいるという点で、村本の放った言葉のもつ意味は大きい。今後の『居酒屋むらじゅん』で、選挙に対する村本の姿勢がどう変わっていくのかに注目したい。

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