かつて天才ラッパーと呼ばれながらも、度重なる服役と薬物の後遺症によってシーンの前線から姿を消していたBESによる待望の3rdアルバム『The Kiss Of Life』。長い冬が終わり春が到来したある日の深夜、某所にやってきたBESと今作の製作からマネージメントまでを手がけた盟友・I-DeAに、アルバムそして今後の展望まで話を聞いた。  

BES×I-DeAインタビュー(前編)「まだやり足りない。今日もリリック書いてた」
BES×I-DeAインタビュー(前編)「まだやり足りない。今日もリリック書いてた」
かつて天才ラッパーと呼ばれながらも、度重なる服役と薬物の後遺症によってシーンの前線から姿を消していたBESによる待望の3rdアルバム『The Kiss Of Life』。長い冬が終わり春が到来したある
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--最初と最後の2曲が今回I-DeAさんが提供したトラックですが、1曲目のトラックはまさに復活作の幕開けに相応しいドラマチックな音になってますね。「I-DeAビーツの上、描くドラマ」ってBESさんのリリックもバッチリハマってて。 

I-DeA 彼天才ですから。なんていうんだろうな…、高値でビート売ってダサくてがっかりするんだったらBES君みたいな人に歌ってもらって自分が満足する方がいいなっていう気持ちもあるんで。それに、昔から知ってますからね。 

BES そうっすね。なんでも相談できちゃうんで。 

I-DeA 知り合いでもなんでもなくラップもダサかったら間違いなく協力していないし。 

--SCARSの『THE ALBUM』が出たのが2006年なんで、もう11年前ですか。 

I-DeA ヤバいっすね。あれ、なんで俺ベンツ乗ってないんだろう。なんで家買ってないんだろうって。 

--確かに笑。そこまでの影響力を与えた作品ですからね。この間、JJJにSTICKYさんも参加したアルバムのインタビューをした時にやっぱSCARSからはすごい影響受けたって言ってましたね。

I-DeA まだ聴いてないんすけど、評判いいってSTICKYから聞いたわけじゃなく聞こえてきてたんで。 

--BESさんは前に比べるとスキルの衰えを感じると言ってましたが、出てきて1年経った現時点ではどうですか?

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BES 脂乗ってないっていったら嫌ですけど、脂乗ってる時の方がリズム感がよかったりするんで欲しいなっていうのはありますけど、今は自分の勘でそこを取り戻しつつやれればいいかなって思ってますけど。 

I-DeA 年と共にみんなスタイルは変わるんで。 

--リリックを書く時は1曲にどれぐらい時間をかけるんですか? 

BES 早い時で1時間ですね。 -

--今回のアルバムの中では滑りがよかった曲はどれですか? 

BES どれも一緒ですね。そんなに変わんないっす。 

--ちなみにリリックはREC前に完成させて持っていくタイプですか? 

I-DeA 完全にそうっす。 

BES スタジオで書くのは時間もスタジオ代ももったいないんで。 

I-DeA TIME IS MONEYっす。 

BES それに録りだすとせっかちなんで。パパパッてやりたくなるんですよね。 

--がっちりコンセプトを固めた作品も聴いてみたいなって思うんですけど、やってみたいって気持ちはあったりしますか?

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BES そうですね。俺はいつも考えてることをそのまま書いた方が楽なんで。そういう作り方が必要な時もあるかもしれないんですけどあんまり考えてないですね。 

I-DeA 誰かが俺とBES君に500万ずつ渡して、1000万でやれって言われたらやりますよね。 

--笑。 

I-DeA そしたら最高の物を作るっすよ。 

BES 前に、そんな金、金言うんじゃねぇって怒られたことがあって。いや、わかるんだけどそれで生業を立ててるわけで、もっとお金を作りたいって思うのはダメなのかなって攻めたんですけどダメで。通じなかったっす。金じゃないのかなって思ったりもしたんですけど、やっぱ結局金だなって。

I-DeA 半ば本気で言うんすけど、俺とBES君がアルバムを作ったら1000万の価値はあると思うんですよ。10年前っすけど実際それ以上の利益をお互い生み出してるし。 

--それにSCARSの1stは、それ以上売れたんじゃないですか?  

I-DeA そんなことないですね。 

--そうなんですね。廃盤になって手に入らないからなんですかね。 

I-DeA 俺は1枚だけ持ってるっすけど、ほとんど誰も持ってないですもん。 

BES 俺も1枚あったっすけど、ケースだけで中身ないっす。 

--笑。日本でもストリーミングに移行してきていて、これからCDはさらに売れなくなるんじゃないかって。 

I-DeA 時代の流れには逆らえないっすからね。ただ、データを見る限りだとストリーミングして本当にカッコよければ配信だったりに流れてて、売上的にはあまりデメリットは感じていないらしいんですよね。 

--そうなんですね。 

BES 逆に今、アナログを好きな人は好きじゃないですか。それでアルバムの先行でアナログを出した感じですね。 

I-DeA それにBESくん、この後もリミックスアルバムを出すんですよね。アルバムのアカペラを使ってリミキサーに発注してっていう感じで。それをアナログ限定で。 

--それはアツいっすね。

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BES 自分からじゃなく声かけてもらって。すげぇうれしくて。

I-DeA 自主なりにやれることは全部やっていって。BES君の影響力があるからこそ実現できてるんでそうやって金にしていかないと。金にできる男なんで。 

--I-DeAさんは、これまで多くのラッパーを見てきていると思うんですが改めてBESさんはどんなラッパーだと思いますか? 

I-DeA 協力してるっていうこの行動がすべてを物語ってると思うんですよね。 

--これからI-DeAさんとA-THUGさんのアルバムが出て、それにSTICKYさんも客演で話題になったりとSCARSのメンバーが、図ったかのように同じタイミングで精力的に動き出したのはおもしろいなと。 

I-DeA 自分ら周辺の名前がいっぱい露出できて連鎖的にいけたら動いてる感出るんでいいっすよね。

BES ちょっとだけリッチです。 

I-DeA それを継続していかなければ。 

--この調子だと新たな音源が聴けるのもそう遠くなさそうですね。

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BES 出てからのお楽しみってことでまだ名前は出せないっすけど、フィーチャリングとかいろいろ手を付け出してます。 

I-DeA ベス君は最近時間あれば曲作ってるみたいなんで。プロジェクトもいっぱい抱えてるみたいだし、是非ラップでリッチにいってほしいですね。あと、BES君に頼む時は安い金で頼むんじゃねぇってw 

BES ありがとうございます! 

I-DeA BES君に変わっていっておきます。 

TEXT:YAMINONI

PHOTO:HIROKI OBARA

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BES - THE KISS OF LIFE (ILL LOUNGE・発売中) 

 【TRACK LIST】 

1. I Wanna Shining / Track by I-DeA 

2. Check Me Out Yo!! Listen!! (feat. 仙人掌, SHAKU) / Track by Malik 

3. Mic Life (feat. STICKY, KING104) / Track by D.FOCIS 

4. Breathless (feat. KNZZ) / Track by DJ GEORGE 

5. -SKIT- / Track by Faceoff 

6. ピキペキガリガリ / Track by B.T.REO 

7. 2 Kind / Track by 16FLIP 

8. Ruff&Tough (feat. B.B THE K.O) / Track by 16FLIP 

9. Dollers Weak - SKIT- 

10. King City (feat. MEGA-G) / Track by Faceoff 

11. できれば Escape To Paradise (feat. MICHINO) / Track by ONE-LAW 

12. I ♥ Haters (feat. MICHINO) / Track by Faceoff 

13. How Many Mc's (feat. MICHINO) / Track by D.FOCIS 

14. Jail / Track by LORD8ERZ 

15. Walk / Track by I-DeA 

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ドラッグの悪魔に取り憑かれコントロールを失った天才ラッパー…。BES本人が話す、過去、現在、そして未来。
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職業柄これまでに数多くのラッパーたちの曲を聴いてきたが、天才と呼べる人間は、ほんの一握りだ。2000年代中盤にSEEDAと共にSCARSのエースとしてシーンの勢力図を塗り替えたBESは紛れもなくその言
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