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東日本大震災から6年。フリーアナウンサーの柴田阿弥が初めて被災地を取材、気仙沼市唐桑に移住した女の子たちを訪ねた。

 "ペニンシュラ(半島)"に"Iターン"したことから、自分たちのことを「ペンターン女子」と呼ぶ彼女たちが暮らす唐桑は、人口およそ6000人の港町だ。6年前のあの日、海を生業にしてきたこの町を津波が襲い、海沿いの家は全て破壊され、今もそこに家を建てる人はいないという。

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 柴田がまず訪れたのは、ペンターン女子のリーダー、根岸えまさん(25)。東京都出身だが、都内の企業の内定を断って唐桑に移住しもう2年になる。この日は後継者不足に悩む漁師の仕事を知ってもらおうと 地元の中学生たちに漁を体験してもらうプログラムの手伝いをしていた。

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 えまさんの活動について地元の漁師さんは「とても良いことだ。本当はうちらがやらなきゃいけないこと。俺らは仕事休んででも協力したい」と感謝の言葉を口にする。将来の夢は漁師だという中学生たちも、楽しい、この経験を仕事に繋げられたらと前向きだ。

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 中学生の一人が「一応芸能人じゃないですか(笑)、もっと知り合いの方を唐桑に呼んで頂いて、もっと良さを伝えていただければ」と柴田にリクエストする場面も。

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 ランチタイムは唐桑名物のかきがたっぷり食べられるかき小屋。中で柴田を待っていたのは、えまさんと同じく、震災をきっかけに唐桑に移住した女性たち。

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 彼女たちは全国各地から移住、地元企業や市役所で働くなど、地域に根付いた活動をしている。仕事の関係で、全員が一度に集まるのは難しいというが、町の人達は彼女たちの存在が嬉しいと話す。

 HPに掲載する地元の人たちとの写真の撮影に臨む彼女たちを見て、「まるで本当の娘のように可愛がられている彼女たちの笑顔は 震災で傷ついた地元の人たちを明るく癒しているようにも見えました」と柴田。

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 最後に柴田が訪れたのは、えまさんが唐桑に移住するきっかけになったメカジキ漁師の佐々木さんの家。佐々木さんは震災直後、大切な自分の仕事道具を盗まれてしまうというつらい体験をしている。

 「悔しくて…」と、人間不信気味になってしまったようだが、ボランティアに来ていたえまさんに、ある日涙を流しながら「漁業からこの町を復活させるんだ」と語ったという。

 えまさんは、佐々木さんの町や漁業に対する使命感に、どん底から這い上がる人の強さや生き様に良い意味でのショックを受け、「こういう人たちと一緒に働きたい」と思ったのだという。

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 夜はペンターン女子たちが作った料理を囲んで"女子会"を行った柴田。「移住に後悔することはないですかか?」との柴田の質問にえまさんは「後悔はない」と言いきった。しかし一緒に住むペンターン女子の一人の佐々木美穂(25)さんは「パーティーしてるInstagramとか見たら、キラキラしてる、たまにはそういうことしたいな」と思うこともあると明かしてくれた。

  翌日、「地震の経験など、ここで来た人にしかわからない事を学んだ。私は東京に帰ってどんな事を伝えていけばいいのか」と尋ねた柴田に、えまさんは「ネガティブな事だけじゃなくて、感じたことをありのままに伝えていってほしい」と話した。

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 柴田はかつて地震訓練の際に教わった「地震は伝えることしかできない、津波は私の伝え方で人を救える」という言葉をあらためて胸に刻んで、キャスターの仕事に邁進することを誓っていた。(AbemaTV/「けやきヒル'sNEWS」より)

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