先月、安倍総理が「『9条1項2項を残しつつ自衛隊を明文で書き込む』という考え方。これは国民的な議論に値するだろうと思います」と発言したことでにわかに盛り上がる憲法改正論議。しかし、「憲法」と聞くと、難しい、よくわからないといったイメージで、とかく敬遠されがちだ。しかし、日本が近代化を成し遂げた明治時代、民間から憲法私案、いわゆる「私擬憲法」が数多く提案されていた。
 例えば、明治14年に自由民権運動の指導者・植木枝盛が起草した「東洋大日本国国憲按」。政府が憲法に違反したり、圧政を起こした場合は人民が抵抗する権利や、革命を起こす権利を認めていることが特色だ。