今、隠れた沖縄県民の声を伝えようとする小さな新聞社「八重山日報」がネット上で脚光を浴びている。挑む相手は、基地反対を唱え、沖縄でのシェア95%を占める「琉球新報」と「沖縄タイムス」の大手2紙だ。4月に沖縄本島に進出したばかりのいわば"新参者"だが"中立・公正"を掲げ沖縄メディアのあり方に一石を投じていると注目を集めている。
 8月12日、那覇市で行われた県民大会。普天間飛行場の辺野古移設反対を訴え、主催者発表で4万5000人が集まった。翁長雄志・沖縄県知事は「今日までの県民の主張はいささかの揺るぎもない正当な権利だ」と述べ、工事を進める政府に改めて抗議の意思を示した。翌13日の八重山日報は1面で「辺野古阻止で反対派大会」と報じたが、6面では「『県民大会』名ばかり政治集会」「印象操作、党派的な発言も横行」との見出しをつけた。これまでの沖縄メディアでは考えられない論調で、会場の規模から逆算して、主催者発表の参加者数についても「誇大発表か」と指摘している。