『凶悪』(13)『日本で一番悪い奴ら』(16)などの白石和彌監督の最新作『彼女がその名を知らない鳥たち』が10月28日(土)から全国公開される。原作は沼田まほかるのベストセラー小説で、主演を務めるのは実力派女優・蒼井優。ノンフィクションを原作にした社会派な作品で高い評価を得てきた白石監督だが、本作は初の本格ラブストーリーとなる。
 働きに出ることもなく、15歳年上の男・陣治(阿部サダヲ)の稼ぎに頼って自堕落な生活をする女・十和子(蒼井優)。十和子は8年前に別れた男・黒崎(竹野内豊)のことが忘れられず、陣治に苛立ちを感じながらも怠惰な毎日を過ごしていた。そんなある日、十和子は黒崎の面影を感じさせる妻子持ちの男・水島(松坂桃李)と出会い不倫関係に。彼との情事に溺れる十和子だったが、家を訪ねてきた刑事から黒崎が行方不明だと告げられる。十和子は異様なまでに自分に執着する陣治の姿に不審感を感じ始め、黒崎の失踪との関わりを疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯えはじめる――。