5月12日、映画『孤狼の血』の初日舞台挨拶が丸の内TOEIで行われ、役所広司、松坂桃李、江口洋介、真木よう子、ピエール瀧、音尾琢真、中村倫也、阿部純子、白石和彌監督、原作者の柚月裕子氏が登壇した。
同作の原作は「警察小説×『仁義なき戦い』」と評される柚月裕子氏のベストセラー小説で、メガホンを取ったのは『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』『彼女がその名を知らない鳥たち』などの白石和彌監督だ。物語の舞台は暴対法成立以前の広島・呉原市。暴力団系列の金融会社社員失踪事件をきっかけに捜査する警察と、暴力団組織間の激しい抗争を描くアウトローな「男」の映画となっている。
主演を務めた役所は「今日はマスコミの方もたくさん来てくださっているので、放送コードに引っかかることは言わないようによろしくお願いします(笑)」と登壇者らに注意。ピエール瀧は同作について「放送コード(を破りそうなところが)いろいろある作品ではありますけど、将来的にここまではありにしていいんじゃないかと基準になる作品だと思います」と語り、会場の笑いを誘った
白石組の常連であるピエール瀧。MCから「白石組の魅力」について聞かれると、「これまでもショッキングで話題になるような作品を撮られていて、今回もバイオレンスなシーンとかえぐいなっていうシーンがあるんですけど、そういうシーンのときに一番楽しそうにしているのが監督です。僕は監督に『鬼畜どんぐり』というあだ名をつけていて、今回もその名前の通り。これがどんぐりの正体です!」と白石監督をいじりつつも、「でも、男のバイオレンスみたいなものをかわいらしく撮ってくれる。そういうところが白石監督の専売特許。すごいところだと思います」と絶賛した。
(鬼畜どんぐりこと白石和彌監督)
今回、コテコテの昭和ヤクザスタイルで出演している音尾は「劇中では私の役はパンチパーマにサングラス、白いスーツと、それだけで放送コードに引っかかるようなスタイルで出ております。(今日は)こんな普通の格好で来てしまい、申し訳ありません」と挨拶。パンチパーマは実際にあてたそうで、「どSな鬼畜どんぐりさんに『音尾くん、パンチできる?』って聞かれて、それで『もちろんです!』と答えまして。私もドMなものですから」と白石監督からのリクエストだったと告白。
MCからパンチパーマのかけ方について聞かれると「あれはですね、かけるのに計3、4時間かかってるんじゃないかな。一回2cmに髪を切りまして、そこから4mmのロッドでぐるぐる巻いていくんです。根元から巻くときが一番痛いんですよ。それが2時間続く。それに耐え抜くことが、こういう極道の道なんじゃないかなと勝手に思っておりました。これかー!と」と振り返り、「全国にいるパンチパーマ愛好家の皆さんに、この映画をきっかけにパンチパーマが流行ってほしいと思います!」とパンチパーマの再ブームに期待していた。
写真:野原誠治
テキスト:堤茜子