撮影日数20日、自腹総製作費約300万円という完全自主製作映画ながらも、ポン・ジュノ監督、犬童一心監督、白石和彌監督をはじめ、俳優の香川照之、池松壮亮、高良健吾らから激賞されている一本の映画がある。
 これが長編映画監督デビュー作となる片山慎三監督による、『岬の兄妹』(3月1日公開)だ。知的障害の妹が体を売っていることを知った兄が、貧困やむなく妹の売春を斡旋していくという衝撃的内容。リスキーな題材ゆえに「誰かにウンコを投げつけられるのではないか?という恐れがいまだにある」と不安を口にする片山監督だが「映画とは本来自由なものであり、映してはいけないものなどない」という信念一つで作り上げた。