「この国を本気で改革するのなら、総理は40代じゃないと無理」橋下氏が語った理想の“ポスト安倍”とは
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 28日の会見で「病気と治療を抱え、体力が万全でない苦痛の中、大切な政治判断を誤る、結果を出せないことがあってはならない」と述べ、総理大臣を辞任する意向を表明した安倍総理。翌29日のABEMANewsBAR橋下』では、様々な名前が取り沙汰されている“ポスト安倍”について議論した。

・【映像】6月に行われた橋下氏と安倍総理の対談の様子

■橋下氏「6月に対談した時、本当は大変な状態だったのでは」

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 まず昨日の会見について、元宮崎県知事の東国原英夫氏は、「長い間、本当にお疲れさまでしたと申し上げたい。申し訳ないが、今まで一番、昨日の会見が感動した。プロンプターを見ずに自分の言葉で喋っていたし、質問にも丁寧に答えていた。言葉は悪いが、もうちょっと早くからこういう形で記者会見をやっていれば、見る目も違ったのではないか」とコメント。

 すると橋下徹氏も「本当に大変な状況だったんだな、お疲れ様でした、という言葉しかない。そして、確かにプロンプターというのはメッセージが熱を発しない感じがするから、使わずにやった方がいいとは思っていた。今回の会見はそこが違ったし、最後の“国民の皆様、8年近くにわたりまして、本当にありがとうございました”という言葉が印象に残った。“安倍政権は独裁だ”とか言われてきたけれど、やっぱり民主主義の国の政治家というのは、こういう形で終わるということを見せられた気がした」と応じた。

 さらに橋下氏は6月20日に同番組で安倍総理と生対談したときのことにも触れ、「憲法改正について“なんとか進めていく”と言ったのを直接聞いて、熱を感じた。でも6月の定期検診で再発の兆候を指摘されたということだから、もしかすると大変な状態でお越しになったのかな、ありがたいなと思った」と語った。

■東国原氏「長期政権を目指すなら、自民党は党員投票の実施を」

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 一方、安倍総理(自民党総裁)の後継を決める総裁選について、自民党は9月1日の総務会で形式や日程については決定する見通しで、党員投票は実施せず、国会議員などによる投票による両院議員総会で選出する可能性があるという。また、立候補者については岸田政調会長や石破元幹事長が意欲を示しているほか、菅官房長官、河野防衛大臣。さらには小泉進次郎環境大臣の名前も取り沙汰されている。

 東国原氏は「フルの総裁選でやれば石破さんだろうとみられているが、両院議員総会だけでは厳しいと言われている。そうなると岸田さんか菅さんになるということではないか。ただ、いずれにせよ来年の9月には再び自民党総裁選が行われることになるので、今回の総裁選で選ばれる人は1年だけの“リリーフ“だ。それは仕方がないとしても、その次は長期政権にしなければならない」と指摘する。

 「安倍政権の最大の功績は長期政権だったこと。1年ごとに総理が変わっていた頃とは、国際的な信頼が違う。だからかつてのような時代に戻ることは避けたいし、むしろ与野党が政策を切磋琢磨しながら、3、4年ごとに国民が政権を選択する、二大政党制のような国にならないといけない。とりあえず安倍政権の政策を引き継ぐだけでいいと悠長なことを言っていると、この1年の間に自民党の支持率は下がっていく可能性がある。11月のアメリカ大統領選ではバイデンが当選するかもしれないし、冬になればまたコロナが拡大するかもしれない。オリパラもある。来年の9月、どうなっているかわからない。やっぱりコロナ後の社会はどういう社会になるのかを示して、少なくともコロナ対策と経済対策をしっかりやります、臨時国会を開いてコロナ特措法を改正します、くらい言う人じゃないと。だから僕は“橋下徹もありだ”と言っている(笑)。こういう時期だからこそ、“党員投票を実施して、自民党は皆さんからの声を頂戴しますよ”、と言えば全然違うのに、その空気を読んでいないのか」。

 橋下氏も「やっぱり幅広く票を集めてリーダーになった人が力を持つので、僕も原則としては党大会で決めてもらいたいと思う。逆に言えば、野党だって代表選挙をしっかりやってほしい。立憲民主党の枝野さんは国会議員だけで決めようとしているようだが、そこは自民党と同じく、民意を感じ取ってないと思う。ただ、小泉純一郎の秘書官を務めた飯島勲さんと対談させてもらったら、今は解散総選挙なんかできないから、とりあえず1年間のリリーフとして緊急的な方法で選んでおいて、来年9月の党大会で正式に選べばいいと言っていた。自民党の戦略として、それもありなのかなと思った」とした。

■橋下氏「本気でこの国を改革するなら、総理は40代じゃないと務まらない」

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 “ポスト安倍”について、信州大学特任准教授でニューヨーク州弁護士の資格も持つ山口真由氏は、「安倍総理よりも年下の方、50代でなければならないと思う。そしてアメリカが民主党政権になると日米関係がなかなかうまくいかないというのがこれまでの歴史。特に国内にポリティカル・コレクトネスが行き届いている中、大統領選でリベラルサイドのバイデンさんが勝って民主党政権が誕生するとしたら、河野太郎さんのような人でなければ難しいと思う。同じくアメリカでのご経験がある小泉進次郎さんと比べてみても、英語力は河野さんが格段に上。コミュニケーションも取りやすいと思う」とした。

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 番組のコメント欄に河野氏の名前が目立つ中、橋下氏に期待する投稿も。すると東国原氏に「この番組で橋下さんの名前が出なくてどうする!1位にならないといけない!」と突っ込まれると、橋下氏は「絶対に無い」と言いながら爆笑。「これは理想論だから、個別の人名は当てはまらないが」とした上で、次のように話した。

 「僕は日本の総理は40代じゃないと務まらないと思っている。世界のリーダーはそうなっている。安倍さんのこれまでの7年8カ月について、駄目だった部分は批判したらいい。やっぱり森友・加計、桜を見る会など、違法・不正はなかったとしても、何かあるたびに“無かった”とか“捨てた”と言う、あの公文書の扱いは国民として気持ち悪い。そういう態度、振る舞いは正してもらいたかった。それでも7年8カ月の年表を見てみると、ものすごくたくさんのことを実現されてきた。僕は知事と市長の経験しかないが、今のこの歳で“もう一回やれ”と言われても、とてもじゃないけど無理。やったとしても、仕事は役人にやらせて、自分は記念式典に出て挨拶するくらいの、“お飾り”の首長しか体力的には務まらないと思う。安倍さんには、その何百倍という負担が心身にかかっていたはずだ。課題の山積しているこの国を仕切り、本気で改革し、物事を進めていこうとした時、身体が付いてくるのは30代後半から40代、せいぜい50代前半までだと思う。そういう人に出て欲しいと思う」。

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 また、「今の日本の仕組み、総理が国会に100日も縛られる状況では、誰が総理になったとしてもボロボロになってしまうと思う。外交・安全保障政策、マクロな経済政策に専念して、もっと地方に振るようにするなど、うまく仕事をマネジメントできるようにならないと。そこで僕たちが訴えてきた地方分権が必要になってくる。そうでないと、誰がなっても大改革はできないと思う。大阪都構想の住民投票が11月に行われるが、これも10年がかり。僕が大阪市長として踏み出した時は、やるべき仕事を絞り、力を残したからできた。社会保障制度の改革だって、今の国会、霞が関のままでは無理だ。そういうことも含めて、“種まき”をするという感覚で新しい総裁にはやってもらいたい」と訴えた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

6月に行われた橋下氏と安倍総理の対談の様子
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