対局という場においては、日本中の話題をさらった天才棋士よりもハードな年を送った棋士がいる。2020年度の対局数(公表分・12月26日時点)は、54局を数えた永瀬拓矢王座(28)だ。4、5月が新型コロナウイルスの影響で公式戦が延期になった中、6月以降は多忙を極め、タイトル戦でも活躍をし続けた。「濃い1年でしたね。自分の棋士人生の中でも、一番忘れられない年になりそうです」と振り返った努力の鬼は、過密で濃密な1年に何を見て感じたか。