「俺らが見本になっていかなあかんという気持ちもあったから…もう正直、しんどい」たむらけんじ、飲食店経営者の苦しい胸の内を語る
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 4日のABEMANewsBAR橋下』に芸人のたむらけんじが出演。大阪を拠点として複数店舗を展開する「炭火焼肉たむら」を始め、中華料理店、自動車販売、チーズケーキのネット通販などを手掛けるたむらが、コロナ禍に直面する経営者としての苦しい胸の内を明かした。

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■「特に僕なんか、お店を開けたら悪になるやんか」

 「1回1回の緊急事態宣言でドーン、ドーンと落ちる。もう正直、しんどい。トータルで売上は半分ぐらいになりました。でもまだましな方。もっとひどいところがあるから。焼肉屋はまだ換気がきいているとかで復活も早かったし、補償があったので、30%減くらいまでにはなったし、運良くお金が借りられたので、それを切り崩しながら。従業員のモチベーションは下げたくないからコロナ禍で給料も下げていないし、ボーナスも出した。あとは自分が倒れたら終わっちゃうので、倒れないように…」と明かすたむら。

 「お酒が出されへんのはメチャクチャきついよ。僕らだって、お酒出えへんのやったら外食やめようと思うやん。うちに来ていたお客さんもそうだと思うもん。街で出してるところを見たら、お客さんがいっぱい入っててさ、いいなあと思うけど、でもさすがにうちはできへんなと思ってる。うちは注目されるし、言われるから。逆にちゃんとしているところ見せてやろうといいうことで、今は当たり前になってきたけど、顔を映したら体温がわかる機械、30万ぐらいしたかな。ど頭からいきなり入れた。時はどこまでやったらええか分からんから、とにかくできる対策をということで、従業員がほんまに手作りでパーテーションから何から作ってくれたりとか。

 でもしょうがないよね。お店を開けたら悪者にされてしまうから。特に僕なんか、開けたら悪になるやんか。けど、開けてる人は全然悪じゃない。生きていかなあかんねんから。しっかり感染対策をしてたら、俺は開けるべきやと思う。補償でかなりもらってきたから、それはありがたいよ。ありがたいけど、経済を回すためにも、“好きに飲食やってください”と解除して、飲食店に入れているお金を医療とかに入れるように方がいいんじゃないか」。

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 たむらの話を聞いていた橋下氏は「アルコールを飲んで話すことでの飛沫感染のリスクが高く、ここを止めれば感染拡大を止められるという話だった時期には、飲食店の皆さんには申し訳ないけど、補償金を出しながら、ピンポイントで止めるのが効果的だと思っていた。でも今となっては、感染が飲食店で広がっているのかどうかも分からないぐらいになっていると思う」と指摘。

 「人流を抑制しないといけないということなら、飲食店だけ止めるんじゃなくて、止めるなら全部止めないといけないのに、今の政治、行政のやり方には納得いかない。ただ、飲食店に政治力がないから、強烈に応援してくれる政治グループがないということが大きい。その点、医師会なんかは良い意味でも悪い意味でも強烈な政治力があるから、飲食店にはあれだけ命令をバンバン出す政治が色々言ってこない。逆に、本当に飲食店の営業を止めようと言うんだったら罰を重くしないといけないのに、それは世間から批判を受けると思って軽くしていった。だから過料が30万とか。それなら30万払っても営業を続けるという判断になる、そういう経営もありだ。それが法律だから」。

 たむらは「実際、30万円持っていって、“やらせてもらう。先に払うわ”っていう人もいるらしい。でも行政は“受け取れない”と。僕も納得したい。最初の緊急事態宣言のときは、炭火焼肉たむらが休んでるんだったら休もうという人もいるだろうし、俺らが見本になっていかなあかんという気持ちもあったから、もう絶対に休業せなあかん、頑張ろうとなったけど、3回、4回、ずっと一緒。何も変わってない。ほんで変な溝ができてる。例えばこっちはずっと休んでるのに隣のお店はずっと営業してる、お酒を出している、すごく儲かっている。今まで仲良かったのに、なんかおかしくなる。そんなことも生まれるやんか」と訴えた。

■「ワクチンを2回打った方については1回ランチをタダにしようかと…」

「俺らが見本になっていかなあかんという気持ちもあったから…もう正直、しんどい」たむらけんじ、飲食店経営者の苦しい胸の内を語る
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 ヨーロッパでは飲食店などの利用の際、いわゆるワクチン接種済であることや陰性であることを証明する“ワクチンパスポート”の提示の義務化が始まっている。

 たむらは「ワクチンを打つのにはリスクがあるから、打たない人の気持ちも分かる。僕もどちらかというと打ちたくない。けど、打ちたいけど打てない人たちを守ろうという気持ちもあるし、この仕事をしていたら不特定多数の人と会うし、俺が感染したら、会った人たちにどれだけ心配をかけるのか。それが嫌だから、これは義務だと思って打った。だからリスクを背負って打った人が飲食店に行ける、旅行に行けるというのはどんどんやったらいいと思う。けど、なんか日本は責任を負いたくないとか、叩かれるんじゃないかとかいうことにビビりすぎて一歩踏み込めない。緊急事態なのに、いつも通りのプロセスでやってしまう。安心安全、もちろん分かってるよ。大事だけど、政治家の人は、勇気を出していってほしい」。

 橋下氏も「自由が大切だということはみんなも分かっている。だけど、ここという時にはちょっと自由を制限してねと言えるのは政治家しかいないわけだ。でも政治、行政の幹部に聞くと、“いや、橋下さん、ワクチン証明書を使うと打った人と打ってない人の差別につながる”と言う。もちろん、打てない人は別だけれど、飲食店の経営の自由がこんなに制限されている以上、自分の意思で打たない人については一定の自由の制限があるのはしょうがないと思う。医療に負担をかけるのは絶対にダメだけど、ワクチンを打っていれば重症化を防げることははっきりしているわけだから、お酒を出すのもありだと思う。たむらさんの立場だとなかなかやりにくいかも分からないけど、接種済みの人にアルコールを出せば、一石を投じることになるんじゃないか」。

 たむらは「そこまでは踏み込めないかもしれないが、今みんなで考えているのは、若者向けキャンペーンということで、ワクチンを2回打った方については1回ランチをタダにしようかと動いている」と明かした。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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