アブドゥラ・サイードは、ネパールのカトマンズをたずねた。ヒマラヤ山脈のアンナプルナ山群に向かい、そこでネパールの山岳民族・グルン族に出会った。彼らは年に2回崖に登り蜂蜜を採取する。世界最古の方法である。
 蜂蜜採りは危険な仕事だ。強く、勇敢で健康なものにしか断崖は登れない。目の前の断崖にもみんな平然としている。「この時期の蜂蜜は栄養が豊富だが、陶酔作用もあるから、摂りすぎてはいけない。たとえ数滴でも人を酔わせる」という。