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 15周年のアニメ『プリキュア』シリーズ最新作『HUGっと!プリキュア』をメインに迎えた春映画『映画プリキュアスーパースターズ!』が全国公開中だ。

 今回は本作に登場するプリキュア3世代のピンクたち、『HUGっと!プリキュア』キュアエール(野乃はな)役・引坂理絵さん、『キラキラ☆プリキュアアラモード』キュアホイップ(宇佐美いちか)役・美山加恋さん、『魔法つかいプリキュア!』キュアミラクル(朝日奈みらい)役・高橋李依さんにインタビュー。プリキュアとしての思い出や、歴代のプリキュアに受け継がれていることについて聞いてきた。 

引坂理絵が語る第1話攻撃シーンの裏話「みんなの力で攻撃出来た」

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――プリキュアをやってきて印象深い出来事は?


高橋:去年の秋頃に『まほプリ』のメンバーでハロウィンパーティーをしたんですよ。ちょうど作中にもハロウィンでにぎやかなシーンがあったんですけど、TVアニメが終わって1年近く経つのに、たくさんの方が集まってくれて。お揃いのスタッフパーカーも作ってみんなで着て、本当に仲良しだな~って感じられて幸せでした。仮装が売っているお店にみんなで行って、カチューシャや帽子、それこそ魔法使いの帽子とかもあったので買ったり、飾り付けもして楽しみました。

美山:『プリアラ』はキャラソンが多くてイベントなどで歌う機会も多かったんです。去年の「Animelo Summer Live (アニサマ)」でプリキュアのみんなで歌ったんですけど、練習期間がめちゃくちゃタイトで。全員で実際のフォーメーションで練習できたのが1回くらいしかなかったので、当日みんなぶるぶる震えていました(笑)。前日の夜中にショコラ役の(森)なな子さんの部屋に集まって、アニサマの振付を四畳くらいしかないすっごい狭いホテルの部屋でぎゅうぎゅうになってベッドに当たりながら練習して、次の日の朝にバナナを買いに行く、というのが印象に残っています(笑)。

高橋:え~!楽しそう!大変だろうけど楽しいだろうなぁ(笑)。『プリアラ』さんの代からプリキュア声優が歌う活動があったので、ライブDVD発売のCMとかを見ると、「うわ~、すごくキラキラしていて素敵!」って思っていたけど、まさか練習時間が短かったなんて、微塵も感じなかったです。

――裏側はとても大変だったんですね。引坂さんはまだ期間は短いですが、いかがですか?


引坂:まだ放送されたばかりで、1話が自分の中では印象深くて。緊張でいっぱいで周りの人に支えられながら、「ごはんを食べなよ」といくら勧められても(緊張で)喉を通らず頑なに食べられず(笑)。一番印象的なのが、キュアエールへの変身が1話であって攻撃もしているんです。そのときに「ハート・フォー・ユー!」って技名を言うんですけど、それが全然うまくいかなくて。後ろで「ハート・フォー・ユー!」って全員でやったんですよ。だからみんなの力で私が攻撃できたみたいなところがあったので、そのシーンを見ると「あー、(アフレコを)思い出すなぁ」っていつも思います。

美山:「ハート・フォー・ユー!」のキーが超高くて初めて聞いたときびっくりしました!まだTVアニメが放送されていなくて映画のアフレコ現場で初めて聞いたんですけど、『プリアラ』メンバー一同「え~?すっごーい!」って拍手が出る感じでした。


引坂:私もびっくりしました(笑)。「もっと上!」とどんどん上げていくように言われて、もう平井堅さん方式でやらないとそのキーが出なかったです(笑)。


――それは先輩プリキュアから見てもすごいと感じたところだったんですね。


美山:すごくかっこよかったです。頭外れるんじゃないかなと(笑)。


――先輩プリキュアから見て、引坂さんのプリキュアはいかがですか?


高橋:力に溢れてる!あの勢いで殴られたらもう勝てない(笑)。さすがエールというか、拳にパワーがみなぎっている感じです。

美山:カッコイイです!はなちゃんは変身しなくても勝てるんじゃないかなって強さがある(笑)。野乃はなって人間自体がものすごくパワーに溢れている人。だから、プリキュアに変身しなくても小さい子が憧れることができるんじゃないかなって。私がもし5、6歳だったら、すっごくはなちゃんを好きになるなって思います。

――歴代のプリキュアの中でもはなちゃん(キュアエール)はかなり強い?


美山:メンタル面でも強い。

引坂:人に対してもガンガンいく強さがありますから(笑)。


――もしかしたら歴代最強のプリキュアになるかもしれないですね。


引坂:そうですね、歴代最強を目指して。もう鉄骨でもなんでも持ち上げます(笑)。


先輩プリキュアから学んだこと「私たちは私たちで作っていっていい」

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――引坂さんが先輩プリキュアのみなさんを見てさすがだなと感じたことは?


引坂:『ハグプリ』のみんなで言っていたんですけど、やっぱり1年間やってらっしゃるので、セリフの合わせがビシっと完璧なんですよ。それを3人で後ろで見ながら、「はぁ~、これが先輩かぁ~……」って先輩のすごさをその時に感じましたし、私たちがなりたくてもまだなれていない姿なので、憧れの眼差しを後ろから送っていました。

美山:すごくその視線を感じました、ため息も聞こえるし(笑)。私たちも去年の春映画のときに『まほプリ』を見て「かっこいい~」と言って同じように感じたんですよ。「私たちもそう感じてもらいたいね」と思いながらやったので、「よっしゃ!」という感じです。

――シリーズ15周年ですが、先輩から受け継がれて言われていることは何かありますか?


高橋:『プリキュア』という作品を表しているのかな、と思ったのが、(先代『Go!プリンセスプリキュア』の)嶋村侑さんが深く干渉しすぎないように引き継いで下さって。作品それぞれの雰囲気を出して欲しいというか。例えば春映画と秋映画があるのは伝統的ではあるけれど、作風は全然違うし登場人物も違う。スタッフさんやプロデューサーさんも年によって変わったりするので、そういう意味で言うと、一から全部作り始めるくらいの感覚でいいんじゃないかなと。プリンセスのみなさんのお一人お一人が自立しているとてもノーブルな背中で、『魔法つかいプリキュア』にも見つかるといいね。といった雰囲気でした。

美山:私は、高橋さんご本人を前にして言うのは少し恥ずかしいんですけど、それこそ春映画でお話をさせていただいたときに、「とにかく楽しんで」と言われて。


高橋:また同じこと言っちゃった。今年も言った(笑)。

美山:「いろいろ気負わず、本当に1年楽しんでください」と言っていただけたのがすごく心強くてその言葉で1年頑張れました。作品それぞれまったく違う色をもっているので、ピンクだからこうしなきゃいけない、とかはなくて。それは先輩方に会ってもわかったことで、みなさん「その世代を楽しんで」って言ってくださって、先輩から言ってもらえるってやっぱり心強いじゃないですか。「私たちは私たちで作っていっていいんだ」という勇気をまたもらえた感じがして、心強かったです。

高橋:だからこそ、それぞれの作品がそれぞれで人気があるのかなという印象はあります。

――引坂さんはお二人から何かお話はありましたか?


引坂:まずは「楽しむ」ということと、美山さんから初代のお二人からのお言葉として「歴史とかを気にせず、自分たちのできるカラーを出していく」ということをつい先程伝え聞いたばかりです!自分たちなりにできることで、また新たな『ハグプリ』としての形が生まれるのかなって、今お二人のお話を伺って勇気をもらいました

美山加恋、初代プリキュアがドンピシャ世代「女の子でもこんなにかっこよくていいんだ!」

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――みなさんの観ていた『プリキュア』の魅力や思い出のエピソードを教えてください。


高橋:初代のプリキュアのみなさんがしていた手元のグローブにめちゃくちゃ憧れて!家にあるものを探してどうにかあのグローブみたいにならないかなって変身ごっこしたなって記憶が今蘇りました。ブーツカバーみたいなやつとか、とにかく衣装が可愛かったので本当にデザインから大好きでした。


引坂:戦う女の子ってなかなか見る機会がなかったので、すごく新鮮で。気持ちが良い戦いっぷりだなと思って見ていました。

美山:私はちょうど6歳くらいで初代がドンピシャの世代で、ブラックが大好きだったんです。決め台詞の「光の使者、キュアブラック!」ってめっちゃやっていた記憶があります。ブラックってどちらかと言うとカッコイイタイプじゃないですか。そこにすごく惹かれた記憶があって、「女の子でもこんなにかっこよくていいんだ!」ということを、私はキュアブラックから知ったのかなと思っています。それから格闘技にも興味を持ち出したりして、そういう面でも影響されました。あと今15周年でこの間まで駅に15周年記念の広告があったんですけど、それに歴代のいろんなグッズが並んでいて。

高橋・引坂:あった~!


美山:私はあの並んでいるものを大体持っていたな、ってくらい懐かしいものがたくさんあって嬉しくなりました。その企画をしていた人が私たちの代のプロデューサーさんなんですけど、企画段階で私が『ふたりはプリキュア』世代だと知ってらっしゃって、代表としてデザイン案をお願いしますと、私もちょっとだけ「こういうのが心をくすぐります!」みたいに参加させてもらえたんです。憧れていたものにプリキュアとして関われて、そして『ふたりはプリキュア』にも関わることができて、すごく贅沢な人生だなと思っています。『ふたりはプリキュア』には縁を感じますね。

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――最後に、この場を借りて引坂さんが先輩2人に聞きたいことは?


引坂:今後1年間やり抜く上での、それこそエールをいただけると励みになるのかなと(笑)。


高橋:じゃあ私から!私の代はプリキュアが3人と妖精が1人だったので、アフレコ現場のマイク4本を全部1人ずつ使えたんですよ。それが結構落ち着いてお芝居させていただけていまして……(笑)。『ハグプリ』さんは、はぐたんやハリーさんがいるので、ちょっとマイクが大変そうだなと思ったんです。ですが、業界の先輩として野田順子さんをはじめ、たくさん頼れる方がいらっしゃると思うので、声優としての技術をどんどん学んで頼って吸収しましょう!声優人生においても掛け替えのない、素敵な現場になるんじゃないかなって思います。

美山:みんなを信じるしかないかな。仲間ということを純粋に感じることができれば、1年間いろいろなことがあっても乗り越えられると思います。『プリキュア』ってやっぱりチーム感がどの作品よりも強いなと感じているので、子供心に戻るくらいの純粋な気持ちで「私たちはチームなんだ」と信じて頑張れたら、きっと1年間本当に楽しかったなって思えるときが来るんじゃないかなと思います。

――みんなを信じることは、今回の春映画にも繋がるような言葉ですね。ありがとうございました!

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テキスト:non

写真:オカダマコト

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