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 「スカートから膝が見えたらダメ」「登下校の際は寄り道禁止」「眉毛の手入れ禁止」「カップルは一緒に帰ってはいけない」

 近年、学校の理不尽な校則はネット上で"ブラック校則"と呼ばれ、度々物議を醸すようになっている。そんな「ブラック校則」をなんとかしようと立ち上がったのが、「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」だ。

 プロジェクトを運用するNPO法人キッズドア理事長の渡辺由美子氏によると、下着の色をはじめ、寒冷地でマフラー・コート禁止といった、理解に苦しむ校則も存在しており、中には女子のうなじが見えると男子が興奮してしまうという理由でポニーテールを禁止している学校もあるという。

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 特に色・長さ・髪型など、髪の毛に関する校則は多くの学校にあり、多種多様だ。23日には富山県内の高校で教師が生徒の髪を切るという不適切な指導が相次いで発覚。富山北部高校、上市高校、富山工業高校、富山県立水橋高校の生徒で、合わせて約140人にのぼることがわかった。教育委員会によると、教師が髪を切るのは髪が眉毛や耳にかかるなど、校則に違反しており、生徒の同意も得た上だったとしているが、"行き過ぎがあった"と謝罪している。

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 昨年11月には、大阪の女子高校生が生まれつき茶髪っぽい髪を黒く染めるよう教師らに強要された結果不登校になったとして、約220万円の損害賠償を大阪府に請求し、裁判になったケースもあった。女子生徒は指導の際に過呼吸で倒れ救急車で搬送されたほか、文化祭や修学旅行には茶髪を理由に参加させてもらえなかったという。この学校では外国人でも髪を黒に染めさせるなど、徹底した指導を行ってきたという。

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 渡辺氏によると、「髪が茶色かったり、天然パーマだったりする生徒に『地毛証明書』を出させる学校が結構ある。地毛が生まれ持って茶髪という子は8%くらいいるので、彼らは学校から怒られ続けないといけないことになる」と話す。NPO法人ストップいじめ!ナビの須永祐慈副代表によると、「生徒の乱れを防止することや、地域社会の人たちにイメージが下がらないようにすること」を目的に、中には小さい時の写真の提出を求める学校もあるという。

 時代が変わり、便利な社会になっているからこそ、校則が厳しくなっている側面もあるという。「親世代に聞いた2000人のアンケートと、10~50代の2000人に中高生時代の校則について聞いたアンケートを分析すると、"丸刈り"のように昔はよく見られた校則と、厳しくなった髪型の規制などに分かれるという」。

 須永氏は校則のあり方について「なぜその校則が定められたのか、理由がはっきりしないケースも多い。将来的に差別に発展する可能性もあるので、改めて、より深く考える必要がある」と指摘した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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