声優・岡本信彦は、「とある魔術の禁書目録」の一方通行(アクセラレータ)役でのブレークをきっかけに、狂気を抱いたキャラクターを演じることが増えた。しかし、役のイメージに反して、本人は、「怒ることが全然ない」というほど朗らかな性格をしている。岡本の素顔に迫った。
一方通行を始め、「僕のヒーローアカデミア」の爆豪勝己役や「暗殺教室」赤羽業役など、岡本が今まで演じてきた役柄からすると意外なほどに彼自身は明るい性格をしている。「役で『死ね』とか『クソ』とか言われた数は、声優界でもトップクラスだと思います」と楽しげにジョークを飛ばした。岡本本人は、プライベートで怒ることはほとんどないらしい。
岡本 「それはダメだっていうことを注意したりはしますけど、怒鳴るとかはないんじゃないですかね。最近怒ったこと……なんだろう……。『普段怒らないからこそ、人と怒り方が違う。だから常軌を逸したキャラを演じられるんじゃないか』と言われたことがありますね」
実は岡本は、1月8日に生出演したAbemaTV「声優と夜あそび」で火曜MCを務める声優・小野友樹(「黒子のバスケ」火神大我役や「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」東方仗助役など)とは、2007年に放送されたアニメ「地球へ…」で共演してからの付き合いらしい。「小野友樹は遊べば遊ぶほど、しゃべればしゃべるほど、変な人だなと思います(笑)」と一緒にグアム旅行に行ったときのエピソードを暴露した。
岡本 「なんか繊細なんですよ。22時以降は喉を守るために声出さないみたいに決めているらしくて、グアム旅行の夜に一緒にボードゲームしたんですけど全然声出さないから、『……おう』と思いました(笑)。『えっ、つまらない?』って心配していたら、『いや、楽しいんだよ。でも声を出せないんだよ』ってささやき声で返されて、やっぱりこの人なんか変わってるなーって(笑)」
茶目っ気たっぷりの語り口でインタビュー中も笑いを誘う岡本だが、声優養成所の学費を自分でバイトで稼いでいた努力家でもある。母親から「大学までちゃんと卒業することが条件」と言い渡されたこともあり、当時はかなり多忙な日々を過ごした。それほど声優になりたかった理由とは何なのだろうか。
岡本 「親が公務員なんですけど、公務員だけは絶対嫌だと思っていたんですよ。もちろん僕もこの年齢になったら、いろいろわかることもあるんですけど、昔はとにかく『変化のない人生を生きたくない』と思っていました。親としては『好きなことを仕事にしなさい』と言いつつも、安定した普通の職についてほしいというのが本音だったみたいですが……」
岡本は、「今まで声優を辞めたくなった瞬間はありません」と笑顔で語る。
岡本 「辞めようと思ったことはないっていうか、声優なれるでしょ~と思ったら、本当になれちゃったって感覚ですね(笑)。すごく運がよかったと思います」
そう謙虚に今までの声優人生を振り返る岡本。彼の本当の武器は、努力を努力と感じないポジティブさなのかもしれない。【原田イチボ@HEW】
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