”情報が漏れ、猪瀬は邪魔だ”と…猪瀬直樹氏が語る”語られなくなった東京2020のテーマ”
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(2枚)

 東京オリンピック・パラリンピックの開催まで残り1年を迎えた今、元東京都知事で、招致運動に携わった作家の猪瀬直樹氏が4日放送の『NewsBAR橋下』に出演、「語られなくなった大きなテーマが二つあった」として、橋下氏に次のように語った。

 「日本軍がなかなか意思決定できなかったとか、"昭和16年夏"の時点で日米戦争に負ける見通しがあったという話があったけど、今度の2020招致という"戦争"には絶対勝たなきゃと、そのためにはいろんな縦割りを乗り越えて、いかに情報共有できるかが問題だった。東京都の中も、各競技連盟も、霞が関も縦割り。東京がなぜ二度目をやるかという理由も必要だったけれど、例えばIOCの票集めのためにも、外務省がどこにいくらくらいODAをしているのかといった情報も重要だった。そうやって、ようやく勝ち得たんだよ。

 もう一つは、国民がスポーツに親しむことによって健康寿命を伸ばし、医療・介護の予算の削減を目指していこうというテーマがあった。今、自動車産業がだいたい50~55兆円でGDPの約1割。そして、医療・介護産業が同じく55兆円くらい。こちらは税金の占める割合が非常に大きいし、自動車保険は事故を起こさなければ安くなるけれど、そういうチェック機能も弱い。これから団塊の世代が75歳以上になっていくと、さらに10兆円くらい増えるし、そうなれば健康保険料も税金の負担も増えることになる。そういう話が前提にあって、2020招致をやろうということになった。

 ところが招致が決まると、そういう大事なことが全く語られなくなっちゃって、地上波でも扱わない。僕もアピールしている途中で辞めさせられちゃった。自分では今日もランニングをしてきたけどね(笑)。大阪万博だって、超少子高齢化社会の中で日本がどのようなイノベーションを打ち出していけるかという話だったのが、経済産業省が"いのち輝く"という、抽象的なものにしちゃった」。

”情報が漏れ、猪瀬は邪魔だ”と…猪瀬直樹氏が語る”語られなくなった東京2020のテーマ”
拡大する

 この話を聞いた橋下氏は「大阪でも維新の会という政治グループでは、僕が大阪都構想を打ち出したときから、それに向けた行動目標がずっと受け継がれていて、それに向かって組織もみんなも動いてきた。東京オリンピック・パラリンピックの場合、なぜそんなことになったんですか」と尋ねると、猪瀬氏は「招致委員会を組織委員会に切り替えないといけないので、JOCの竹田恆和会長と相談して組織図を作った。トップは日本一のケチケチ会社であるトヨタの元会長で、体協の会長でもあった張富士夫さん、その両脇を僕と武田さんで固めようとした。そして森喜朗さんとか、利権があると噂されている人たちは意思決定に加わってこないように"顧問団"というところに入れた。パソコン的に言えばゴミ箱みたいなもんだよね(笑)。そこはね。でも、招致に成功した途端、新国立競技場が3000億円というリーク記事が突然出たように、情報が漏れていき、"やっぱり猪瀬は邪魔だ"っていうプロセスになっていく。自民党も、安倍総理と石破幹事長のラインは外から僕を支持してくれていたけれど、都議会自民党は支持てくれなかったし、むしろ追い出したかったわけ。そういうことも重なった」。

 この裏話に橋下氏は「政治行政の現場というのは、どのポジションを取るかという、ものすごい権力闘争がある。大阪でもそういったことはあったし、それを抑え込もうと思ったら政党を作り、選挙に乗り出して仲間を増やさないといけなかった。僕の場合、それは松井さんがやってくれたから、なんとか続けられた」と振り返っていた。(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)

▶放送済み『NewsBAR橋下』は期間限定で無料配信中

▶次回7/11(木)ゲストは作家の乙武洋匡氏

ゲスト:猪瀬直樹
ゲスト:猪瀬直樹
NewsBAR橋下
ゲスト:三田紀房
ゲスト:三田紀房
NewsBAR橋下
ゲスト:田原総一朗
ゲスト:田原総一朗
NewsBAR橋下
ゲスト:しみけん・はあちゅう
ゲスト:しみけん・はあちゅう
NewsBAR橋下
ゲスト:田村淳
ゲスト:田村淳
NewsBAR橋下
ゲスト:石原良純
ゲスト:石原良純
NewsBAR橋下
この記事の写真をみる(2枚)