1964年の東京オリンピックで大活躍した"東洋の魔女"ことバレーボール女子日本代表にまつわるエピソードや、1966年に連載を開始した、過激な練習メニューも話題を呼んだ漫画『巨人の星』など、日本では長らく"スポーツ根性モノ"、略して"スポ根"が人気コンテンツとして君臨してきた。
 現実のスポーツ指導の現場でもそれは同じで、学校現場でも体罰、暴言、長時間に及ぶ練習、そして「うさぎ跳び」「丸刈り強制」「1000本ノック」「水禁止」など、過酷な部活動がまかり通ってきた。実際、街で聞いてみても、「試合で負けたり、ルールを破ったりすると、先輩たちの監視の下、腕立てやスクワット、過度なトレーニングを要求された。多少の体罰に近いところは黙認されていた」「お尻を地面に付けて靴の紐を結んではいけなかった」「"水を飲めない世代"。休憩もきっちり決まっていた」と、年代や競技にかかわらず、エピソードには事欠かない。