台風19号の影響による豪雨をはじめ、大規模な水災害が頻発する日本列島。10月31日放送のAbemaTV『NewsBAR橋下』に出演した橋下徹氏が、「科学をもって自然災害に打ち勝つことも必要だが、これからは科学をもって自然災害から逃げていくという方向性が必要ではないか」と問題提起した。
「テレビ番組でも同様の主張をしたら批判を受けたが、正確には、“上流を氾濫させることで下流が助かっているという、シビアな治水行政の現実があります”といっただけで、上流を氾濫させろとは言っていない。東京の人たちは、上流に住んでいる人たちにある意味で感謝しないといけない。大阪の場合、淀川のピークと琵琶湖のピークを見ながらうまく調整してやっているが、考え方としては、いざというときには琵琶湖の周辺が犠牲になることで、大阪府民の命が守られている。そういう現実が至るところにある。歴史的にみても、氾濫するところは氾濫するし、そうならないように全てを強化していったら、下流は耐えられないと思う。これを言うと“都会を守るために上流を犠牲にするのか”と言われてしまうが、永遠に堤防を強化しつづけることになってしまうし、山の斜面についても、土砂崩れ対策に費用をかけつづけるよりも、移ってもらったほうが安く済む。本当に申し訳ないけれど、やはり危険な地域についてはお金を補償してでも移転してもらう。大胆だけれど、そういう風に調整をしないと間に合わないと思う。命の問題だから、そこは政治が気合を入れて、令和の時代は“危険な地域には住まわせない”という大方針でやってもらいたいと思う」。(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)