「すまない。まじですまない。悪い事やってけいさつにパクられた。兄きにそう伝えといてほしい」。
 2003年5月、殴り書きのような1枚の手紙を妹に送り、大阪市生野区の一人暮らしの自宅から失踪して16年。当時29歳だった鈴木龍也さんは、現在は45歳になっているはずだ。
 静岡県中部にある島田市で育った龍也さんは兄と妹、弟の4人兄弟。市内の工業高校に進学、新体操部に所属していた。卒業後には埼玉県草加市に住み、倉庫に勤務。明るい性格で、母・郁子さんと2人で四国に旅行するなど、家族との関係も良かったというが、1995年、21歳で大阪に移り住まいと仕事を転々とするようになった。