累計400万部を突破した『うんこかん字ドリル』、人気を博したお台場の「うんこミュージアム」など、“うんこブーム”が継続中だ。実はうんこそのものの研究も進んでおり、細かく観察することで、様々な病気の徴候を見出すこともできるのだという。
長年にわたって腸内細菌について研究している理化学研究所特別招聘研究員の辨野義己氏は「大腸というのは人の臓器の中で最も病気の種類が多い。その一方で、大腸は他の臓器に比べて、環境をコントロールすることができる。大便というのは80%が水、残り20%が固形成分だが、その3分の1は食べカスで、生きた腸内細菌と剥がれた腸の粘膜でできている。この腸内細菌が他の臓器や乳がんや肝臓がん、肥満や糖尿病などの病気とも関係していることが分かってきた。また、脳の機能、自閉症や認知症とも関係があるという論文も出てきている。つまり、良い腸内環境を持ち、腸を制することが健康を制すると言ってもいい」と話す。