たった一度のSNS投稿によって人生を左右されてしまう人は後を絶たない。こうした状況に対し、「宣伝材料のない人はSNSを止めた方がいいのではないか」と話すのが、『ウェブはバカと暇人のもの』(2009)などの著者のあるネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。
「『ウェブはバカと暇人のもの』から11年が経つが、これで主張していたことが正しかったということが証明されている。むしろ加速度的にバカになっているくらいで、日々、ウォッチのしがいがある。そもそもネットに情報を出すことでメリットがあるのは、イベントや番組に出演する人や、記事を書いているような人が宣伝活動の一環として使う場合だ。あるいは一定数のフォロワーがいる人は“インフルエンサー”として広告代理店などからスカウトが来る。そういう“宣伝材料”がある人にとってはミドルリスク・ハイリターンなもの。しかし無名の一般人がTwitterをやっても、誰かとの出会いがあるくらいしか意味がないと思う。例えば息子や娘の写真をアップする人がもいるが、将来その子が整形手術したとしたら、“お前整形しただろ。お前の父さんがアップしているこの写真見ると一重じゃないか”と言われたりするわけだ。そういう意味も含め、一般人にとってはハイリスク・ほぼノーリターンだ」。