緊急事態宣言の延長でさらなる打撃が心配される飲食業界。午後8時閉店など、東京都の要請を守りながら営業を続けている鮮魚料理店「魚可津」(東京・港区)の正木秀逸社長は「何人まで感染者が減ったら、もう普通にしてもいいといった自粛解除のルールを決めて欲しい」と話す。また、ネット上にも「飲食店の休業はもう限界」「病死よりも自殺増加の未来が見える」「延長してもまともな補償がなかったら、自粛無視で経済回した方がいいかも」といった声もある。

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 餃子店「ダンジー餃子」(東京・新宿区)の店長・寅次郎氏は「弊社は近隣の人や在宅の人の支援になればと思い、1日からは通常の営業をやめて冷凍のテイクアウトに業態を変更した。ただ、テイクアウト用の容器が枯渇しているので、探すのも購入するのも難しいという状況が生まれている。また、デリバリーについてはやってこなかったので業者に申し込んでみたが、需要がとても高まっていて、開始が3~6カ月後になるという話だった」と話す。

 「売上は昨年4月に比べて7割ほど落ちているので、ぎりぎりの状況だ。家賃は交渉して下げてもらうことができたが、これが続くとなると、ずっと下げてもらえるかどうか。オーナーはそういう交渉や申請などで忙しいため、店は私1人でやっている。従業員は6人いるが、アルバイトの人に関しては休んでもらい、社員にはリモートワークでサイト運営など、できるところを手伝ってもらっている。毎日決まった時間にZoom会議を開き、気持ちを共有しているので、支え合って乗り越えていこうという思いだ」。

 また、休業要請が緩和された場合について尋ねると、「もちろんすぐには戻らないと思うが、きちんとしたガイドラインや期限などが出ればその中で全力を尽くしたい。3密の対策をすれば営業して良いとなれば、一生懸命やりたい。そして、やはり皆さん都の要請に協力するということで、6日までは20時までの営業でなんとか頑張ろう、それで50万円がもらえるなら、ということでやっているが、それも“ご褒美”のような感じに思えてしまっていると思う。今後がとても不安だ。いくらぐらいの補償を、この時までに必ず支払うということがわかれば、まだ頑張るというところも出てくると思う。お肉券やお魚券ではなく、テイクアウト券もやってもらえたらいい」とした。

 アメリカ国立衛生研究所の研究員で、病理学やウイルス学が専門の医師、峰宗太郎氏は「感染を抑える目的をどこに持っていくかだが、やはり医療崩壊を起こさないということが非常に重要になるので、その恐れがないようであれば、経済を回していく必要もあるので、ある程度のリスクを取って、というような形での活動も考えていかなければいけない。その時には、どういう活動がどこまでできるのか、ということを明確にしていくことは必要だ」とした。

 また、ジャーナリストの堀潤氏は「本当に国の政策はどうかしている。安倍総理の会見を見ていても、具体的に何を、どの程度やるのか。しっかりと税金を納めてきた我々を、今こそしっかりと守って欲しい。今のインパクトでは全く足りないし、しょうがない、頑張ろう、ではなく、しっかりと声を上げていかなければいけない。政治家ももっと頑張るべきだ」と話していた。