プロ22年のキャリアを持ち、公式戦でも1000局近い経験がある実力者にして「こんなに震えて指したことがない…」という戦いがあった。山崎隆之八段(39)は、プロ将棋界初の団体戦となった「第3回AbemaTVトーナメント」に、チーム稲葉のメンバーとして出場。自身初戦で斎藤慎太郎八段(27)に2連敗したものの、続く2戦目では近藤誠也七段に2連勝。チームは予選敗退となったが2勝2敗で大会を終えた。個人戦だった第1回でいいところなく予選敗退。雪辱に燃えた第3回でもいきなり連敗し「口だけ野郎でした」と自虐までした山崎八段が見せた超本気の戦いは、非公式戦であることを忘れるほど、鬼気迫るものだった。