将棋の対局ができることに、心から感謝するのはプロの棋士でも同じことだ。気品溢れる仕草、ファッション、言動から“貴族”の愛称で呼ばれ、ファンも多い佐藤天彦九段(32)は、新型コロナウイルス感染拡大を受けての自粛期間について「社会の中で様々な方々に支えてもらいながら生き、将棋が指せるのは幸せなことだと思います」と語った。6月28日から開幕する「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」にも出場するが、佐藤九段にとっての公式戦は、多くの人への恩返しの場所だ。