SVOD、AdVODともに利用率の伸びが鈍化

 「定額制」「レンタル」「購入」「無料」といった契約形態別に、それぞれの鑑賞形態別の<動画配信><放送><ビデオソフト>の2023年の利用率を調査したところ、「定額制」<動画配信>のSVODの上昇幅が最も大きく、前年比+1.2ptの39.0%を記録した。しかし、利用率が急進した20年の前年比+8.1pt以降、21年は前年比+4.8pt(※)、22年は前年比+2.6pt、そして23年は前年比+1.2ptと毎年伸びが半減し、鈍化傾向にある。(※四捨五入により小数第一位が前年の見た目上の数値の差と一致していない)

 SVOD以外では、YouTube、TVer、TikTok等を含む「無料」<動画配信>のAdVODが、唯一利用率を伸ばした。ただし、上昇幅は利用率が伸長した20年の前年比+3.9pt以降、21年は前年比+3.4pt、22年は前年比+1.3pt、そして23年は前年比+0.3ptと、SVOD同様に停滞感は否めない。

 また、年々利用率が減少している「レンタル」<ビデオソフト>のDVD・BDレンタルは、今回の調査でも減少。21年(前年比-3.7pt)、22年(前年比-2.4pt)、そして23年(前年比-2.3pt)と下げ止まりは見られない。「購入」<ビデオソフト>のDVD・BDセルも同様に、前年比-1.1ptと前年と同程度の減少が続いている。

SVODの平均利用数は、市場全体、SVOD利用者全体ともに前年から変化なし

 SVODサービスの平均利用数を調査したところ、市場全体(回答者全体)は平均0.8サービス、SVOD利用者全体は平均1.8サービスと、ともに前年から変化がなかった。前述の通りSVODの利用率の伸びが鈍化したが、平均利用数に関しても動きがなく、市場全体が安定期に入ったものと推測される。

■調査概要
【出典】「動画配信/放送/ビデオソフト市場 ユーザー分析レポート(2023年11月調査版)」
【調査方法】インターネットアンケート
【調査実施日】2023年11月4日(土)~2023年11月8日(水)
       ※前回は2022年11月5日(土)~2022年11月9日(水)に調査
【調査対象】日本在住の15~69歳の男女
【回答者数】19,325人
【値の重みづけ】10歳刻み性年代の比率が、総務省統計局発表の人口推計(2023年10月1日時点の概算人口)と等しくなるように重み付けを行った