2023年はドラマ豊作の年となった。この記事では、「2023年ドラマで演技が光っていたと思う俳優・女優」について100人にアンケートを実施した結果を、選んだ理由とともにランキング形式で発表した。

俳優部門 1位は堺雅人 2位に鈴木亮平

 第1位は堺雅人。2023年7月~9月に放送されたTBS日曜劇場「VIVANT」の主人公・乃木憂助を演じた。壮大なモンゴルロケと謎が謎を呼ぶ伏線だらけのストーリーで国民的な大ヒットに。うだつの上がらない商社の社員と優秀な別班の工作員の2つの顔、さらに二重人格者という難しい役どころを演じ、改めて高い演技力と唯一無二の存在感を見せつけた。「VIVANTではセリフ回しが良かった。プロフェッショナルな仕事ぶり。鬼のような形相をみせたり、二階堂ふみとのキスシーンでは照れた表情も良かった」など称賛の声が上がった。

 第2位は鈴木亮平。映画は「エゴイスト」「リボルバー・リリー」のほか、「劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」では主演。ドラマは2023年10月~12月まで放送されたTBS日曜劇場「下剋上球児」で主人公・南雲脩司を演じた。訳アリの高校教師・南雲が廃部寸前の野球部の部員たちとともに立て直していくさまが感動を呼んで話題に。罪深い過去を周囲に隠し、ひとり葛藤する南雲役で鈴木の演技力の高さが光っていた。「ドラマ「下剋上球児」での、一瞬も目を離したくないと思うぐらい心を持って行かれる熱い演技が本当に素晴らしかった」などの声が上がった。

 第3位はムロツヨシ。2023年は映画「波紋」、ドラマは「星降る夜に」、NHK大河ドラマ「どうする家康」では豊臣秀吉役で登場。主演ドラマは「ドラフトキング」「うちの弁護士は手がかかる」と2作が放送されて、大活躍の年に。どの作品も独特のキャラが光り、注目を集めた。「『うちの弁護士は手がかかる』で主演を務めている演技は、他の役者にはないムロツヨシの個性を存分に活かしておりこの役をもし他の人がやったら全く違うドラマになってしまうほどの存在感を示している。直前まで出演していた大河ドラマ『どうする家康』の豊臣秀吉役とは全く違った演技力が求められる中で見事だと思う」とのコメントが寄せられた。

 同率第3位は山田裕貴。2023年は映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-・-決戦-」、「キングダム 運命の炎」「ゴジラ-1.0」。ドラマはNHK大河ドラマ「どうする家康」「女神の教室〜リーガル青春白書〜」「特捜9」。「ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」では主演を務めた。演技力も作品ごとに高まり、成長と躍進の年に。「民放の連続ドラマには主役級で出演。同時撮影で身体的にきつい中、大河ドラマ『どうする家康』では、初回から殿を叱る厳しい家臣・本多忠勝を年老いるまで見事に演じきったので」との声も。

 同率第3位は松下洸平。2023年は映画「ミステリと言う勿れ」、ドラマは「合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜」「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」「いちばんすきな花」に出演。4月から12月まで連続ドラマに出演し、癒し系の中にあるコミカルさと力強さが光る演技で存在感を見せつけた。2024年大河ドラマ「光る君へ」にも出演が決定している。「最近いろんなドラマや映画、バラエティに出ている。幅広い演技力があり、それなのにすごく自然体ですごく魅力的な方だなぁと思った。また天然な部分もあり可愛らしさもあってとても素敵な方だ」といった回答があった。

 同率第3位は内野聖陽。2023年は映画「春画先生」、ドラマでは西島秀俊とダブル主演した「きのう何食べた? season2」での演技が高評価を得た。人気シリーズ「きのう何食べた?」は弁護士の筧史朗(西島)と美容師の矢吹賢二(内野)の男二人暮らしの日常を描く物語。内野演じるキュートなケンジが多くのファンの心をつかんでいるようだ。「『きのう何食べた?』待望のseason2だった。内野のケンジがとても健気で可愛くて、なんて乙女チックなんだろうと毎回思っている。season1を観る前は、普段男気のある役が多かった内野がどんな風になるのか想像が出来なかったが、一目見てケンジが大好きになった。どんな役でもこなせるスゴイ俳優だ」などのコメントが寄せられた。

 同率第3位は役所広司。2023年映画は「ファミリア」のほか、「銀河鉄道の父」「PERFECT DAYS」で主演。「PERFECT DAYS」で第76回カンヌ国際映画祭 男優賞を受賞した。ドラマでは「VIVANT」で堺雅人演じる主人公・乃木憂助の父でテロ組織のリーダー、ノゴーン・ベキ役で登場。大迫力のロケーションの中で圧巻の演技を見せ、大きな話題となった。「VIVANTでのノゴーンベキ役の姿が良かったから。緊迫感のあるシーンでの絶妙なやり取りが素晴らしい演技をしているなと思った。そして映画PERFECTDAYSで海外からも評価が高いのも理由の一つだ」という意見があった。

 8位以下には神木隆之介、板垣李光人、目黒蓮、鈴鹿央士髙橋海人などの名前があがっている。

女優部門 1位は「北川景子」 2位は「広瀬アリス」

 第1位は北川景子。2023年映画はアニメ「劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos 後編」、ドラマは「イチケイのカラス スペシャル」のほか、NHK大河ドラマ「どうする家康」でお市の方・茶々役で出演。「女神の教室〜リーガル青春白書〜」「連続ドラマW 落日」と2作で主演を務め、大活躍の年になった。特に「どうする家康」での母・お市と娘・茶々の演じ分けで高い演技力を見せつけて、多くの話題を集めた。「大河ドラマで母親とその娘の二役を演じていて別々の人にちゃんと見えていた。母親の年齢を重ねていく感じと娘の若々しい感じを表現するのが上手くて、こんなに演技が上手だったかなと驚いた」と驚嘆のコメントも寄せられた。

 第2位は広瀬アリス。2023年のドラマでは「忍者に結婚は難しい」のほか、NHK大河ドラマ「どうする家康」では徳川家康の側室・於愛の方役で出演。「マイ・セカンド・アオハル」で学歴も金も無い主人公のアラサーOL・白玉佐弥子を好演。建築を学ぶミステリアスな大学生・小笠原拓(道枝駿佑)と出会い、一念発起で大学生に。不器用ながらも恋に勉強に奮闘する等身大の演技で多くの視聴者の心を掴んだようだ。「以前から興味のある女優だったが、【マイ・セカンド・アオハル】の広瀬アリスは本当に自然に見えて、年の差に負けず幸せになって欲しいと思いながら夢中で見ている」という回答があった。

 同率第2位は今田美桜。2023年映画では「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-・-決戦-」ではヒロイン・橘日向役、「わたしの幸せな結婚」でもヒロイン・斎森美世役で出演。ドラマは「ラストマン-全盲の捜査官-」「トリリオンゲーム」のほか、「いちばんすきな花」で主人公・深雪夜々役を演じた。4月から12月まで連続ドラマに立て続けに出演。かわいらしいビジュアルだけでなく、演技力でも注目された年になった。「多くのドラマやセンチに出ずっぱりの年だったと思うが、それぞれの役柄をうまく演じこなしていたし、今までの『ただかわいいだけの女優』から脱却した気がする」などの声が上がった。

 第4位は趣里。2023年映画では「零落」「愛にイナズマ」のほか、「ほかげ」では主演。ドラマ「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた- 」でも主演を務め、NHK朝の連続テレビ小説「ブギウギ」ではヒロイン・福来スズ子役を射止めた。「ブギの女王」といわれた笠置シヅ子をモデルとしたストーリーで優れた演技力に加え、歌唱力とダンスシーンも話題に。「NHK連続テレビ小説『ブギウギ』での、主人公である笠置シヅ子役を見事に演じているので。戦時中の女性人気歌手を描いているドラマだから、通常のスタジオ演技と、当時の舞台での歌手としての演技を求められており、ブギの女王であった主人公であることから、歌も唄いダンスも踊らなければならない訳で、非常に難しい役どころを見事に演じ切っておられるので。二世タレントの殻も破った感も感じるから」といったコメントが寄せられた。

 同率第4位は小池栄子。2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で北条政子を演じて話題を集めた。2023年はコントとドラマを融合させた新感覚の番組「お笑いインスパイアドラマ ラフな生活のススメ」で主演。さらに「コタツがない家」では父・夫・息子のダメ男たちを養う主人公のウェディングプランナー・深堀万里江役を演じた。ますます高い演技力に磨きがかかり、来年も活躍の幅を広げそうだ。「『コタツがない家』で早口の台詞もさることながらキャラの魅力が小池栄子だから演じられたのだという素晴らしさがあった。キャリアのある女性なのに嫌味がなく一生懸命で応援したくなった」と絶賛の声も上がった。

 6位以下には安藤サクラ桜田ひより上白石萌歌菅野美穂、二階堂ふみ、木南晴夏などの名前があがっている。

【調査概要】
調査期間:2023年12月1日〜12月12日
調査機関:WonderSpace調査
調査対象:10~50代以上の男女(性別回答しないを含む)
有効回答数:100名
調査方法:公式Twitterアカウント、他インターネット