シード・プランニングの子会社であるデジタルインファクトはCARTA HOLDINGSと共同でリテールメディア広告市場に関する調査を実施した。

調査結果の詳細

 デジタル広告配信におけるクッキーレス化が進展するなか、大手EC事業者が提供するターゲティング精度の高いリテールメディア広告は、多くの広告主からのデジタル広告需要を取り込み、2023年はデジタル広告全体を大きく上回る水準で増加した。一部の大手店舗事業者による広告商品は、メーカー企業のマーケティング・販促需要を確実に取り込みながら、着実な市場の成長をけん引。

 これらを背景に、2023年のリテールメディア広告市場は3625億円、前年比122%となる見通し。内訳は、EC事業者が3405億円、店舗事業者が220億円と予測される。大手EC事業者が提供するリテールメディア広告への広告主からの高い水準の需要の継続と、店舗事業者が提供するリテールメディア広告への需要の急増を受け、市場は今後も高い水準で成長を持続し、2027年には2023年比約2.6倍の9332億円規模に拡大すると予測される。

 店舗事業者のリテールメディア広告市場においては、大手GMS企業が小売事業のDX化の一環としてリテールメディア事業への注力を進めており、広告商品の拡販に向けた環境整備を進めている。大手コンビニエンスストアチェーン企業においても、リテールメディア事業部門の組織体制の整備、あるいはデジタルサイネージ等の設備投資が進み、今後の大きな事業成長に向けた準備が進められている。

 これらを背景に、店舗事業者におけるリテールメディア広告市場は、2023年は220億円、前年比163%となる見通しだ。今後は、リテールメディア事業を支えるテクノロジーの進展が、多くの店舗事業者の参入支援を促し、広告主からの確実な需要の高まりのもと、2027年には2023年比約6.3倍の1390億円に達すると予測される。

調査概要 
調査主体:株式会社CARTA HOLDINGS
調査時期:2023年9月~2023年12月
調査方法:広告業界・小売業界関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:リテールメディア広告市場
調査機関:株式会社 デジタルインファクト