日本インフォメーション株式会社は、時間効率化や時間対効果を意味する「タイムパフォーマンス(タイパ)」についての世代間意識調査を実施した。調査結果は以下の通り。

■認知率は男性のほうが高く、特に20代男性が顕著

1)日々の生活での時間に追われる感覚

 日々の生活で時間に追われていると感じている人は全体で半数以上。コロナ禍と比べて時間に追われている感覚は変わらない人が半数だった。性別では、時間に追われている感覚は女性がやや強くなっている。年代別では、特にZ世代の女性10代において6割以上と高く、男性10代もTOPBOXでは他の年代を上回っている。

 また、コロナ禍の際と現在を比較した質問でも、Z世代(10代)は「時間に追われている感覚が強くなった」が4~5割と他の年代と比べて高く、5類移行後の現状でより強まっている傾向がみられた。

2)タイムパフォーマンスの認知状況

 タイムパフォーマンスの言葉の認知状況は、全体では半数以上が認知しているが、意味を理解しているのは3割程度。全体的に男性の認知率が高く、10代を例外として年代が若いほど認知率が高い傾向で、20代では7割を超える。前問で時間に追われている感覚が強かった10代では、感覚値に反して認知率は意外にも低い結果となった。

3)タイムパフォーマンスを意識して行っていること:回答個数

 性年代別に、タイパを意識した行動量を確認するために「タイムパフォーマンスを意識して行っていること」計32個の選択肢を、各性年代が平均していくつ回答したのか、回答個数をまとめて集計。その結果、男女ともにZ世代(10代)の回答個数平均が高く、タイパを意識した行動の多さが他年代に比べて多い。

4)タイムパフォーマンスを意識して行っていること

 タイムパフォーマンスを意識した行動を聴取したところ、全体では「ながら動画視聴」が最も高く、次いで「ネットショップ・ネットスーパーの利用」「動画の倍速視聴/10秒スキップしながらの視聴」の順に高くなった。

 性年代別で上位に挙がったものの考察は次項目にて詳細を記載するが、それ以外に特徴的なものとしては、女性では「眉アート/まつエク/まつげパーマの利用」や「オールインワン化粧品の利用」など、美容系の項目も挙げられた。男性20代では「衣類のサブスクの利用」といった新サービスの利用がやや目立つのが特徴的だ。

5)タイムパフォーマンスを意識して行っていること:ランキングTop5

 タイムパフォーマンスを意識して行っていることについて、性年代別でTop5を抜粋したところ以下のような項目が挙がった。

 Z世代(10代)では、男女ともTop5のうち4つを「メディアコンテンツ視聴関連」の項目が占めた。男女20代は 「メディアコンテンツ視聴関連」の項目が多いが、10代と比べて購買力が上がってくる年代でもあり、「ネットショップ・ネットスーパーの利用」「衣類のネットショップの利用」など「買い物関連」が挙がっている。

 30-50代のミドル層においては、男女共通して若年層と同様に「メディアコンテンツ視聴関連」項目が上位に挙がりながらも、買い物関連の「ネットショップ・ネットスーパーの利用」に加え、「弁当・惣菜などの出来合いのものの利用」「冷凍食品・ミールキットを利用する」など、「家事の時短を目的とする項目」も挙げられた。

 男性40-50代では「リモートワークの実施」が上位に挙がり、仕事面でのタイパ意識も窺える。

6)タイムパフォーマンスの効果の感じ方

 タイムパフォーマンスを意識して行っていることのうち、効果を実感している項目について、全体でn=30以上選択された項目に絞り確認した。全体では「乾燥機能付き洗濯機の利用」「食器洗い乾燥機の利用」「冷凍食品・ミールキットを利用する」など、家事関連の項目が上位を占めている。

 一方、Z世代を中心にタイパ行動実施率の高いメディア関連の項目は、家事関連の項目に比べるとタイパ効果はやや実感されにくいようだ。

7)タイムパフォーマンスへの意識と生活の質への影響

 日々の生活の中でタイムパフォーマンスを意識しているか確認したところ、「意識している」人は4割弱とまだ一定層にのみ広まっていると言える。しかし、タイパを意識している人は約6割がタイパで生活の質があがったと回答しており、タイパ行動のQOLへの貢献度はあると感じられているようだ。

 性年代別で見ると、男女ともにタイパを意識していると回答した割合が3割台の年代が多い中、男性20代は約5割半ば、女性10代は約4割と高めだ。

 Z世代(10代)では、男女ともにタイパにより生活の質が上がったと回答しており、タイパ行動量に比例して生活への好影響を感じている。

■調査概要
調査地域:日本全国
調査対象:16~59歳 男女
調査実施期間:2023年12月7日~12月8日
調査手法:インターネットリサーチ
サンプルサイズ:有効回収計 1,000サンプル