先月27日、民間の信用調査会社「帝国データバンク」は、山梨県に本社を構えるアクセサリー業者の「サン宝石」が甲府地裁に民事再生法の適用を申請したと報じた。負債額は21億7000万円に上るという。
【映像】「19年間ありがとう」閉店する原宿店に寄せられたファンの寄せ書き
経営危機に立ち上がったのは“かつての少女たち”だった。ネットでは「サン宝石」の商品を買おうと呼びかける「サン宝石」購買運動が巻き起こり、一時はサイトへのアクセスが困難になるほど。このムーブメントに「サン宝石」の専務・渡邊駿さんは「涙を流して喜んでいるスタッフもいました。弊社一同、本当に感謝しています」と語る。
「紙面に載ったりネットニュースになったりしたのが翌週の月曜日(8月30日)でした。記事を見た人が弊社のサイトに訪れて、ありがたいことに多く注文をいただきました」
1965年に創業した「サン宝石」は、カタログ注文などの通信販売を中心に事業を拡大。アクセサリーや雑貨・コスメなどが数十円から数百円という“お手頃価格”で手に入ることもあり、長年女の子を中心に親しまれ、憧れの的にもなっていた。2002年からは直営店を全国に展開し、全盛期には42億円もの売上を記録していた。
しかし、100円ショップなど同業他社の競合が増え、収益が悪化。さらに新型コロナの感染拡大が追い打ちをかけた。直営店は次々と閉店し、原宿店も今月26日で閉店を予定している。
「弊社の売り上げは、カタログの新規会員数に大きく影響を受けて年々減少傾向にあります。収入の面で『これ以上続けられない』という状況になりました」
ニュースでサン宝石のピンチを知ったある女性は、約1万2000円分を購入。娘にもサン宝石の楽しみを知ってほしい気持ちで「爆買いした」という。
「小学生の頃『サン宝石』の広告を友達と見て、キラキラ輝く雑貨にアクセサリーに胸をときめかせました。キラキラしたものはいつでも女の子を楽しくうれしい気持ちにさせるもので、現在4歳の娘も目をキラキラさせていました。今回は娘と一緒に選び、応援の気持ちも込めてたくさん購入しました。今も昔と変わらない『サン宝石』を応援しています」(女性ファン)
ファンの行動に、渡邊さんは「懐かしんでいただいてるお客様もいれば、現在進行形で弊社を利用してくださっているお客様、『民事再生という言葉がよく分からないので潰れてほしくない。存続してほしい』という応援を送ってくださる方もいらっしゃいました」とコメント。中には「クラウドファンディングをやって資金を渡したい」という申し出もあったと明かす。今後はスポンサーから支援を受けながら、全ての事業を継続していくという。
また、ファンからの申し出は断ったものの、サン宝石では独自のクラウドファンディングの実施が決定。渡邊さんは応援してくれるファンに感謝を述べ、「(温かい)コメントをいただけていますので、弊社としても今後も同じような形で事業を継続していきたいと思っております」と意気込んでいる。 (『ABEMAヒルズ』より)
▶映像:「キラキラ輝くアクセサリーに胸をときめかせ…」サン宝石ファンからの温かいコメント
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