電撃的な退団。そして移籍。4年目を迎えるMリーグにとって滝沢和典(連盟)のアクションは、リーグに大きなインパクトを与えた。優勝チームを自ら後にし、別のチームで戦うことを臨んだことに、周囲からは様々な声が寄せられる。それでも滝沢自身のクールさは変わらず、開幕を間近に控えても冷静そのもの。ただ、チームメイトでもありライバルでもある佐々木寿人(連盟)に対しては「僕が勝つことでいい刺激になればいい」と、明確な意識を示した。今期から仲間となった「タキヒサ」は、初優勝を目指すチームにとって、どんな影響を与えるのか。
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――昨期は別のチームでしたが、昨年の振り返りをお願いします。
2年目はチームポイントに引っ張られた事もあり、内容が良くなかったけど、3年目は上手く修正できた。修正したら、1年目より強くはなっている気がします。距離感というか、踏み込むタイミングが非常に良くなりました。ピントが合ってきた、相手を認識できたというか。年単位でみんな変わる、変えてくる。(鈴木)たろうさんとか、堀(慎吾)君も変えてくるんだろうな、とか。読みづらい人もいるんですけど、タイミングとか間合いが見えてきたのが、うまくハマったかな。押し引きは変えなければいけないものだと思います。
――優勝してチームを出たことへの反響はどうでしたか。
だいたい温かい言葉ばかりでした。「(佐々木)寿人に負けないでね」ってあちこちで言われていたのが、その戦いが見れないのが残念、という人も多いですが。チーム内バトルについては、僕が勝ちたいというより、勝つことがいい刺激になればいいなと。チーム内でそういう争いがあった方が、結果的にいいような気がします。やっぱり去年(ファイナルの要所で)で使ってもらえなかったことはすごい悔しかったし、逆にセミファイナルで平均を崩して、いっぱい出してもらったことはすごく嬉しかったので。
――KONAMI麻雀格闘倶楽部は、過去3年3位以内の入賞がありません。(優勝経験者として)何か伝えたいことはありますか。
風林火山側からKONAMIを見ていた時に「ここはこうした方がいいのに」と思うことがなくはないので、もしそういう場面が来たら、少しは口を挟むのかなあ。アドバイスはすると思います。やっぱり高宮(まり)さんはやっていて怖さはあったんで、それは消さずに、攻めに専念してほしい。(悪かった序盤は)普通の人っぽくなってたから。せっかくの武器がそがれている部分があった。どこかで影響を受けてきちゃったのかなって。でも、若い人はそういうのを繰り返して強くなっていくんで。そういう意味で去年はいい練習の機会になったのかな。
――Mリーグ新加入となった伊達朱里紗さんについてはいかがでしょう。
岡田(紗佳)さんみたいに、舞台に立ってからどんどん成長していくのかなと。伊達さんも最初は麻雀好きな声優さんだった。岡田さんも麻雀好きなモデルさんだったのが、だんだん立派なプロという感じにレベルアップしている。それは期待できるかな。舞台に育てられるというのもありますね、決勝戦とか、そういう舞台を経験した人はどんどん強くなっていくので。それと一緒でMリーグに出たということによってかなり精神的にも鍛えられる。麻雀は本人なりに考えてもらわないと意味がないかなと。アドバイスしてなんとかなるものではないかなと思います。
――古巣となるEX風林火山と戦うことについて、イメージするところはありますか。
相手が誰か、ということは気にするんですが、EX風林火山だからどうこうということはなくて…という答えしかなくてすいません。お世話になったところとはいえ、真剣勝負にするしかない。相手はこっちを知っているし、逆にいえばこっちも打ち方を把握している。まあ、こればっかりはやってみないとですね。
――最後に個人の目標、チームの目標についてお願いします。
目標は「佐々木寿人より上」で。あくまでですよ。僕が勝つことが彼のエネルギーになる、燃えるんじゃないかなと。うまく高め合っていく感じが理想です
――2020シーズンで言えば、佐々木さんに勝つには+500以上が必要になります。
そうですね(笑)。チームとして優勝というのは当然なんですけど、まずはファイナルに必ず残りたいと強く思っています。