個人戦優勝者・伊藤沙恵女流三段、超早指しは「すごくスピード感があって楽しい」苦手な団体行動を克服できるか/将棋・女流ABEMAトーナメント
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 個人戦優勝者が、今度はリーダーとしてチーム優勝を目指す。女流棋士による超早指し戦として行われた「第1回女流AbemaTVトーナメント」の優勝者である伊藤沙恵女流三段。今回、装いも新たに団体戦となった「第2回ABEMAトーナメント」にも、リーダーとして参加することになった。「(団体戦は)ただただ驚きました。まさかあると思っていなかったので。正直リーダーという格ではないので、責任を感じています」と恐縮するが、このルールについて女流で最も実績があるだけに、文句なしのリーダーだ。ただ、本人も課題にしているのが団体行動。「得意じゃなくて不安もあるんですけど…」という伊藤女流三段が、この大会を通じてどこまでリーダーらしくなるか。

【動画】ドラフト直前 伊藤沙恵女流三段インタビュー

 第1回大会では、絶対的な大本命と目されていた里見香奈女流四冠を決勝で下して優勝した。まだタイトル経験こそないものの、当時としては最年少だった10歳で奨励会入りし、同世代には永瀬拓矢王座、斎藤慎太郎八段、菅井竜也八段、佐々木勇気七段ら、実力者がずらりと並ぶ。それほどの強豪世代で揉まれてきた棋力は、確実なものだ。プロの棋士ですら切れ負けすることもあるというフィッシャールールも「決断がずっと迫られる感じ。休む暇がないですし、ひどい将棋を指してしまうリスクもあって大変ですけど、将棋が楽しいと感じられることが女流棋士になってから少なかったところ、楽しいと素直に感じられました」と、本人にとって大きなものになっている。

 超早指しは楽しみだが、悩むのが団体戦というところ。「普段の生活でも団体行動が得意じゃなくて…。ただ楽しみな部分もあります」と、なんとか前向きにとらえようとしている最中だ。ドラフト会議を直前に控えても「悩んでいます。他の方々がどういった方を指名されるのか全く予想がつきません」と頭を抱えたが、そこは勝負師。最後は開き直り「どんなチームが出来上がるのか、自分でも楽しみです。第一に楽しみたいと思っていて、結果がいい方向になればうれしいです」と、声色も明るくなった。

 言葉でムードを高めるよりも、盤上での内容、結果でチームを引っ張るタイプのリーダー。多くの言葉を語らずとも、その指し回しがあれば、きっと仲間も自然とついてくる。

◆第2回女流ABEMAトーナメント 第1回は個人戦として開催され、第2回から団体戦に。ドラフト会議で6人のリーダー棋士が2人ずつ指名し、3人1組のチームを作る。各チームには監督棋士がつき、対局の合間にアドバイスをもらうことができる。3チームずつ2つのリーグに分かれ総当たり戦を行い、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。チームの対戦は予選、本戦通じて、5本先取の9本勝負で行われる。
ABEMA/将棋チャンネルより)
 

【動画】第2回女流ABEMAトーナメント ドラフト会議
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【動画】ドラフト直前 里見香奈女流四冠インタビュー
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