全世界を席巻し、衝撃と感動を巻き起こした映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のマーベル・スタジオが送り出す最新作『シャン・チー/テン・リングスの伝説』が現在公開中。この度、同作で全く新しいヴィランとして魅力を発揮した俳優・トニー・レオンのインタビューが到着した。
マーベル・スタジオの今後の作品にも深く関わっていくことが期待される新ヒーロー《シャン・チー》(シム・リウ)の誕生を描いた本作に、早くも絶賛の声が相次ぐ中、一際熱い視線が注がれているのが、本作でヴィランを演じたトニー・レオン。トニー・レオンといえば、言わずと知れたアジアが誇るトップ俳優。持ち前の甘いマスクと、演じたどの役柄からも感じられる叙情的な表現力で、世界中に多くのファンを抱えているが、実は、彼がハリウッド映画の大作に出演するのはこれが初めて。そんな彼が今回演じたのは、悪の組織のリーダー《シュー・ウェンウー》。主人公シャン・チーの父であり、一族に伝わる伝説の腕輪<テン・リングス>を操る彼は、ある理由により、世界を脅威に晒す張本人となる――。
一見すると、完全なる悪役のように思えるシュー・ウェンウーだが、トニー・レオンによると、「脚本を読む前に予想していたものとかなり違っていた」と驚きがあったと話す。「シュー・ウェンウーは悪役のように感じられない悪役で、悪役のようにも見えなかった。人間的な部分が多くあったんだ。マーベル・スタジオは今回、いつも違う種類の、とても奥行きのある悪役を作り出そうとしていたと感じたし、僕にとって、それを表現するのはとてもチャレンジなことだったよ」とも話すように、良い意味でヴィランらしからぬ、マーベル・スタジオの新境地ともいえる魅力的な悪役が《シュー・ウェンウー》なのだ。
先日、そんな彼から日本のファンへの特別メッセージが到着。本作で演じたダークな役どころとは反し、チャーミングで愛らしいその姿に、多くのファンたちの心が鷲掴みにされたが、実はトニー・レオン、“大の日本好き”だという嬉しい秘密も明かしてくれた。「僕は多くの日本映画を見るよ。僕がとても称賛する多くの監督や役者たちがいる。昔はよく、日本でもたくさんの映画を見ていたし、最近も、ほとんどの時間を日本に費やしている。僕は映画館に行って、日本映画を見るのが大好きなんだ。好きな作品はたくさんある。泥棒についての映画で、賞をとった作品とかね。(『万引き家族』)」と話し、是枝裕和監督や黒澤明監督、宮崎駿監督などの作品を好んで鑑賞するのだという。さらに、彼は、「僕は田舎で時間を過ごすのが大好きなんだ。夏と冬の両方でね。なぜなら、僕はスノーボードをするんだ。僕は昔、毎年、ニセコでスノーボードをしていた。そして夏は、そこにいる友人たちとサーフィンに行ったり、マウンテンバイクをしたりするんだ」と度々訪れている日本への溢れる愛を語り尽くした。
トニー・レオン インタビュー
――ハイ、トニー、今日はお時間ありがとうございます。そして、おめでとうございます!あなたはこの映画で素晴らしいお仕事をされましたね。
トニー・レオン(以下T):サンキュー。
――あなたは、ウェンウーを見事に敬意を持って演じられていました。ウェンウーを演じる上で、あなたにとって、どんなことが重要でしたか?この役をクリエイトする上で、あなた自身のアイディアを持ち込みましたか?
T:ウェンウーは僕にとってとても特別なものだ。(これは)僕の最初のハリウッド映画なんだ。これは、僕が、自分の役者としてのキャリアでいつもやってきたものとはかなり違う。そしてもちろん、僕は、この役に多くのアイディアを持ち込んだよ。
――シャン・チーを演じたシムは新人です。でも彼はこの映画でとても素晴らしい仕事をしました。彼の演技はすでに多くの批評家たちによって絶賛されています。シムとの仕事はいかがでしたか?彼はどんな役者でしたか?
T:彼はとても働き者だよ。そして、とても優れたマーシャル・アーティストだ。彼には多くの情熱があって、彼はとても一生懸命働く。僕は彼との仕事をとても楽しんだよ。
――彼の将来についてどう見ていますか?あなたはこの仕事を長年やってきています。今後、彼はどういった役者になっていくと思いますか?
T:そうだね。多くの可能性があると思う。彼はドラマもやれるよ。でも、この映画の中で、あなたたちはマーシャルアーツやコメディにおいて、彼の才能を見ることが出来る。彼はドラマもやれるけどね。そして、彼には明るい未来がある。この映画を見たらね。彼はとてもいいよ。
――トニー、あなたは多くの素晴らしいアクション映画をやってきました。『グランド・マスター』や『レッドクリフ1&2』といった。でもこれは、あなたが言ったように、あなたの初めてのハリウッドでの大作アクション映画です。なにか新しいことはありましたか?この映画をやっている時、どんなことがあなたを一番驚かせましたか?この映画とあなたがこれまでに手がけてきた他のアクション映画で、なにが一番大きな違いでしたか?
T:この作品は特別だったよ。なぜなら、それは、今のテクノロジーと伝統的なマーシャル・アーツのコンビネーションなんだ。CGIとリアルなファイトのコンビネーションなんだ。だから、それは特別なんだ。
――撮影中、なにか、あなたが驚いたことはありませんでしたか?すべては同じでしたか?
T:これは、僕の役者のキャリアの中で、僕が手がけた最も大きな予算の作品の一つだよ。なにが僕を驚かせたかということ、僕が彼(デスティン)のチームを大好きになったことだ。僕はスタッフ全員が大好きだった。彼らは素晴らしかったね。彼らはとてもプロフェッショナルで才能があって、人々はものすごくナイスだった。そのことが、このプロセス(仕事)をとても印象に残るものにしてくれた。少なくとも僕にとってはね。
――トニー、あなたの監督のデスティンはこう言ってました。彼は、とても人気のある日本のアニメーション『ドラゴンボールZ』の大ファンで、実際、この映画のアクションシーンで、それを参考にしたそうです。あなたは、日本が好きだと聞きました。役者として、日本のポップカルチャーの影響を受けたことはありますか?なにかお気に入りの日本のポップカルチャーはありますか?映画でも、キャラクターでも、役者でも構いません。
T:僕は多くの日本映画を見るよ。僕がとても称賛する多くの監督や役者たちがいる。ハッサンミン?(黒澤明のことです)のようなね。英語の名前はわからないんだ。それと最近だと、、昔はよく、日本でもたくさんの映画を見ていた。なぜなら、僕は最近、ほとんどの時間を日本で過ごしているんだ。僕は映画館に行って、日本映画を見るのが大好きだ。(好きな作品は)たくさんあるけど、名前を思い出せないよ。(中国語でなにか呟きながら)それは泥棒についてなんだ。泥棒についての映画で、賞をとったんだ。(『万引き家族』のことです)
――それは、家族みんなで万引きする作品ですよね?
T:イエス!それだよ。その監督は大好きだよ。
――是枝監督ですね。
T:実際、好きな日本の監督や役者はたくさんいるよ、
通訳:先ほど、トニーが言った監督は、黒澤明になります。
――もちろんです。当然ですね。
T:それとゴンキー・ジュン?(宮崎駿のことです)だ。アニメーション映画のね。
――トニー、あなたは日本で多くの時間を過ごすとおっしゃいましたね。
T:イエス。
――日本では、どんなことをいつもされているのですか?
T:僕は田舎で時間を過ごすのが大好きなんだ。夏と冬の両方でね。なぜなら、僕はスノーボードをするんだ。僕は昔、毎年、ニセコでスノーボードをしていた。そして夏は、そこにいる友人たちとサーフィンに行ったり、マウンテンバイクをしたりするんだ。
――そうなんですね。
T:そして、もしシティライフが恋しくなったら、東京に飛ぶんだ。東京-香港-東京-香港-北海道というふうにね。
――それは素晴らしいですね。あなたのキャラクターの話に戻ります。ウェンウーは、邪悪な父親で、この映画の悪役です。でも、とても深みのあるキャラクターでもあります。このキャラクターを演じる上で、なにかチャレンジだったり、あなたが今までに感じたたことのない責任感を感じたりしましたか?なぜなら、ウェンウーは複雑なキャラクターであるだけでなく、これはあなたの初めてのハリウッド映画の大作であり、初めてのアジア人主導のMCU映画でもあります、、
T:オッケー、広東語で説明するよ。(トニーが広東語で話します)
通訳:それは彼(トニー)にとって特にチャレンジでした。なぜなら、彼が脚本を読んだ時、それは、脚本を読む前に彼が予想していたものとかなり違っていたからです。彼(ウェンウー)は悪役のように感じられない悪役で、悪役のようにも見えなかったからです。そこには多くの人間的な部分がありました。彼は、マーベルは今回、違う種類の、とても奥行きのある悪役を作り出そうとしていたと感じています。だかた、彼にとって、それを表現するのはとてもチャレンジなことでした。
――トニー、多くの日本のMCUファンたちはこの映画を見るのを楽しみにしています。そういった日本のファンに簡単なメッセージをお願い出来ますか?
T:(笑)「あなたたちが、僕と同じぐらいこの映画を楽しんでくれることを、僕は期待しているよ!」
――サンキューソーマッチ。おめでとうございます。
T:サンキュー。
通訳:もう一つ付け加えさせてください。トニーが先ほど口にしたアニメーターは宮崎です。
――そうなんですね。当然ですね。サンキューソーマッチ。
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