「レギュラー価格200円を超えないとガソリンだけでは運営できない」原油価格の高騰に販売店も悲鳴
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 高騰を続けるガソリン価格が7年ぶりに1リットル162円を超えた。価格は6週続けて上昇しており、歯止めが掛かる様子は今のところ見られない。この状況に消費者はもちろん、販売店からも悲鳴が聞こえ始めている。

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 東京・世田谷区にあるフルサービスが売りのガソリンスタンド「MAXエネルギー世田谷SS」の松田龍馬代表取締役は「(今の原価だと)レギュラー価格が200円を超えないとガソリンだけでは運営できない」と苦しい経営状況を明かす。社長含む5人のスタッフで運営する同スタンドでは、松田さんも毎日現場に出て、バイトスタッフと汗を流している。

「ガソリン自体がそんなに利益がある商品じゃないので…」

 そのように話す松田さんのガソリンスタンドでは、レンタカーや車の販売、板金、事故対応、改造など車のこと全般のサービスを提供する形でやりくりしている。洗車やオイル・タイヤ交換程度のサービスだけではやっていけず「別荘の掃除に行ったり、要望があれば何でもするような感じだ。本当に便利屋さんみたいな…」と松田さん。

「レギュラー価格200円を超えないとガソリンだけでは運営できない」原油価格の高騰に販売店も悲鳴

 ガソリンスタンドがガソリンを売るだけでは生き残ることが難しい背景には何があるのか。ガソリンスタンド勤務歴21年で店長やエリアマネージャーを経て独立。現在は車関係の店舗コンサルティングを行うロードサイド経営研究所の三上康一代表取締役は次のように語る。

「(価格高騰は)産油国の問題。世界的に新型コロナウイルスが拡大して、車を使わなくなるのでガソリンの需要が減った。そこで産油国は減産を始めた。徐々にコロナの収束は見られるようになったが、減産の手を緩めていない」

 根本的な原因は原油の生産が減っていること。供給が減れば値段は上がる。そもそもガソリンの値段はどのように決まっているのか。三上氏は「元売りが原油を海外から仕入れて原価が決まる。そこにガソリン税が上乗せされ、これに消費税がかかる。税金に税金がかかっている」と説明する。

 つまり、ガソリン価格の約46%が税金。そこに輸送費や人件費を加えて各店舗で値段を決めていく。原油の値段が上がればかかる税も同様に増え、価格高騰につながるというわけだ。

「レギュラー価格200円を超えないとガソリンだけでは運営できない」原油価格の高騰に販売店も悲鳴

 13日、ホンダは2030年以降、中国での新車販売はすべて電気自動車などにすると発表した。押し寄せるEV化の波によって、2009年におよそ4万店舗あったガソリンスタンドは、2020年には3万店舗を切っている。

 さらに、消防法の改正もガソリンスタンド減少に大きな影響を与えたと三上氏は指摘する。

「ガソリンスタンドは地下に何万リットルと貯蔵できるタンクがある。これはほぼ金属製だが、このタンクを何十年か使用したら、サビを止める腐食防止のコーティング加工をしなければいけないという消防法ができた。多くの場合は数百万もかかるため、費用をかけるのであれば閉店してしまおうということになった」

 そんな中、前出の松田さんは窓を開けることなく、室内から給油から決済まですべてができるという“スマホ給油”を去年9月、日本で初めて導入するなど、生き残りをかけた模索を続けている。価格高騰に頭を悩ませているのは、消費者だけではないようだ。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)

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【映像】「レギュラーが200円を超えないと…」販売店の悲鳴
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