小学1年生の息子にナイフをプレゼント…元刑事が共感した教育方針に賛否 凶悪化する少年犯罪「ナイフは人を刺す凶器ではない」どのように教えるべきか
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 山梨県甲府市で住宅が放火され、焼け跡からこの家に住む井上盛司さん(55)と妻・章惠さん(50)の遺体が見つかり、13日未明、井上さんの次女を殴って怪我をさせた疑いで19歳の少年が逮捕された。

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 司法解剖の結果、夫婦の遺体には刃物によるとみられる複数の刺し傷があり、死因はいずれも失血死。現場からは複数の刃物が発見され、出火する前に殺害された可能性があるとみられている。少年は井上さんの長女と同じ高校で面識があり、警察の調べに対して「一方的に好意を寄せていたが、思い通りにならなかった」などと犯行の動機を述べ、犯行現場に油の缶を持ち込んだという趣旨の供述もしているという。

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 17日にABEMAABEMA的ニュースショー』に出演した元埼玉県警捜査一課刑事の佐々木成三氏は、山梨県甲府市の事件現場に足を運んだことを明かすと「火災の現状が、二階建ての家の二階が一階に落ちている状態だった。火災の検証を見たことあるが、これだけ火の勢いが強い火災というのは、間違いなく油を使っているということが分かった」と話し、次のように続けた。

「今回、本人が犯行を計画するときに凶器と一斗缶を用意しており、明確な殺意がある。さらに二人を殺害した後に、油をまいて火をつけるというところまでやり遂げて逃走している。警察は娘の傷害事件ということで逮捕しているが、のちに放火と殺人ということで立件をして裏付けを取っているところだろう」

 さらに今回逮捕された19歳の少年と、過去に凶悪事件を起こして逮捕された少年における共通点についても言及した佐々木氏は「社会から孤立している状態と視野の狭さ。自分がストレスを感じた時に、問題解決方法があまりにも極端になる。想像力の欠如、共感力が全くないということで、犯行を決意した時に最後までやり遂げてしまう。逸脱した行為になってしまう」と話し、凶悪犯罪に手を染めてしまう少年に共通する特徴を説明。そのうえで、被害者支援の重要性を訴えた佐々木氏は「各都道府県警には被害者支援課があり、カウンセラーなど担当が必ず被害者につく。ただ事件を構築していくうえでは調書もとらなくてはいけない。捜査と被害者支援のバランスはかなり難しい。今は残されたご遺族、娘さん二人の被害者支援、ケアを重点的に考えながら捜査を進展していくことになる。2名の殺人と放火が起訴となった場合、少年であっても死刑もしくは無期懲役になる可能性はある」など今後の見通しについても述べた。

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 MCを務める千原ジュニアから「事件の背景についてはどう思うか」と問われた佐々木氏は、少年事件を含め殺人事件に使われる凶器は刃物が多いと指摘すると「自分の身を守る時代なのかなとは感じている。危険人物がいたら自分から逃げるという感覚を養う。それを子どものときから学んでいくことは教育的にも必要かもしれない」と持論を展開すると、尊敬する先輩の話として、考え方に共感したというエピソードを次のように披露した。

「先輩は小学校1年生になる息子の誕生日にナイフをプレゼントした。他の親は何でそんな危ない物をプレゼントで渡したのか心配になるだろう。ただ『危ない物だからこそ、子どもに触って欲しい。ナイフというのは、例えばキャンプに行って枝を切ったり、料理をしたりするもの。必要なツールであって、人を刺すものではないということを子どもの頃から教育で教えなければいけないのではないか』という先輩の話に共感した。ナイフというものは凶器ではないという教育も必要なのかもしれない。今の事件の質を見てそのように感じている」

 元フジテレビアナウンサーで1児の母でもある大島由香里氏は、その話を聞いた際に少し驚いた表情を浮かべたが、佐々木氏の話に時折うなづきながら聞き入っていた。しかし、表情は硬いままだった。このエピソードに関して視聴者から「危ない物だからこそ触って欲しい」「なるほど」と共感の声が寄せられた一方、「それが通じるのはまともな人」「共感できない」など否定的な声。さらには「どっちが正解かわからない」「賛否両論だ」といった反応も多数寄せられた。

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