「あくまでも“どれだけファンがいるか”を知るためのもの」批判殺到の“都道府県の魅力度ランキング”、ブランド総合研究所・田中社長を直撃
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 「ブランド総合研究所」が毎年公表する「地域ブランド調査2021」。中でも47都道府県の「魅力度」をランク付けしたものはメディアも大きく取り上げ、自治体の首長がコメントを求められるのが近年の“恒例行事”のようになっている。

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「あくまでも“どれだけファンがいるか”を知るためのもの」批判殺到の“都道府県の魅力度ランキング”、ブランド総合研究所・田中社長を直撃

 例えば44位とされた群馬県の山本一太群馬県知事は「理由が分からない」と反発。「ある意味、県民を侮辱していることになると感じている。法的な措置も検討してまいりたい」と怒りをにじませた。

 県もランキングの作成方法について問題視、調査対象者に「以下の地域について、どの程度魅力を感じますか?」との質問しかしていないこと、また、魅力とは観光や食文化など、多角的な観点から測られるべきものであり、現状では根拠が不足していると指摘。さらに1〜10位の間には約40点の差があるのに対し、下位10位は約5点の差しかなく、順位が容易に変動するランキングは信憑性に欠けるとしている。

■「“日本の縮図”になるようにしている」

「あくまでも“どれだけファンがいるか”を知るためのもの」批判殺到の“都道府県の魅力度ランキング”、ブランド総合研究所・田中社長を直撃

 一方、ブランド総合研究所の田中章雄社長は、あくまでも都道府県の地域おこしの向上を促す目標値として発表していると説明、「住民以外の人たちからどのように思われているか、そのイメージが良ければモノは売りやすくなるし、観光は活性化するし、居住もしてくれるようになる。目標値を作ったり、自分たちの立ち位置を理解したりするために数値化したというのがランキングのきっかけだ」と反論する。

「あくまでも“どれだけファンがいるか”を知るためのもの」批判殺到の“都道府県の魅力度ランキング”、ブランド総合研究所・田中社長を直撃

 田中社長によると、実は調査項目は89もあり、「魅力度」はそのうちの一つに過ぎないという。

 「色々なランキングを出しているが、その中の“魅力度”なので“都道府県魅力度ランキング”と報じられているだけで、我々としては『地域ブランド調査』という名称でおこなっているものだ。もともとは、いわゆる“平成の大合併”によって約3800あった市町村が約1800くらいにまで減り、自治体名も変更される中、自分たちが他の地域からどのように思われているのかが分からなくなってしまっていた。政策を打ち出すためにも、数字で捉えておかなければ、ということで2006年に始まった。最初は市町村でやっていたが、そのうちに都道府県の方もぜひやってくれという声が出てきたので、2009年からは都道府県版もやるようになった」。

「あくまでも“どれだけファンがいるか”を知るためのもの」批判殺到の“都道府県の魅力度ランキング”、ブランド総合研究所・田中社長を直撃

 また、調査対象者についても「“消費者”と言っているが、“国民”と言ってもいい。約450万人の“調査モニター”にお願いをしていて、居住地域別、年代別、性別が均等になるようサンプリングしている。回収後には日本の人口に比例するよう再集計をして、“日本の縮図”になるようにしている」と説明する。

 「20市区町村、または15、6の都道府県名を示し、それぞれについて“知っていますか”と聞いて認知度、“魅力を感じますか”と聞いて魅力度、“観光に行きたいと思うか”と聞いて意欲度を測っている。それだけではなく、“どういうイメージがあるか”など、かなり根掘り葉掘り聞いているし、行ったことのある人とない人に分けて分析もしているし、20代、30代、あるいは50代、60代でどう違うか、東北で住んでいる方と九州に住んでいる方とでどう違うかなどの分析もできるようにしている」。

■“ふるさと愛”が萎縮…当事者の複雑な心境

「あくまでも“どれだけファンがいるか”を知るためのもの」批判殺到の“都道府県の魅力度ランキング”、ブランド総合研究所・田中社長を直撃

 元三重県知事の北川正恭氏は、三重がちょうど真ん中の23位だったことも踏まえ「どうってことない感じがする」と苦笑する。

 「山本知事がお叱りになったのも、それはそれでいいじゃないか。ただ、私が知事だったとしたら、これいいね、活用した方がいいんじゃないか、頑張って来年は良くしろよ、くらいの感じで受け止めると思う。実は私の知事時代、バブル崩壊で観光地の伊勢志摩は入込客が激減した。そこで商工会議所や観光業の方々に対して“あなた方の努力を点数化する”と言って大反対に遭ったことがある。しかし観光協会の青年部の人たちからは“採点してくれ。悪いところがあれば直そう”と言われ、結果的には成功した。つまりランキングを観光に活用するのも一つの腕前かなという気もするし、私たち行政のプロとしては、財政力や税金をどのくらいバックしているかといった指標もあるし、県庁に行政視察に来られた人の数を競争するというのもいいと思う」。

「あくまでも“どれだけファンがいるか”を知るためのもの」批判殺到の“都道府県の魅力度ランキング”、ブランド総合研究所・田中社長を直撃

 元栃木県庁理事の西須紀昭氏は「同じく私も“どうってことない”と受け止めているし、北関東の三県は常に40位台と低迷していることをメディアが取り上げてくれるのも有り難いことだ。栃木県の場合、去年は最下位になったわけだが、まさに逆転の発想で“47(そこ)から始まる栃木県”というキャッチコピーを作って取り組んできた。ただ、やはり栃木県というのは北関東の中でもとりわけ目立たない。地味な性格、保守的な性格もあり、自虐で済ませず、萎縮に走ってしまう。栃木県民であることを表に出すのを否定的に受け取り、ふるさと愛を萎縮させてしまうような気配もなきにしもあらずだ。そういう部分では、このランキングは困る。また、首都圏の方々の場合、魅力以前に北関東三県のことを身近に感じてくれていると思うし、その点で言えばこのランキングには意味がないと思う」と、当事者ならではの複雑な心境を吐露した。

■「住民の幸福度こそが魅力度ではないのか」

「あくまでも“どれだけファンがいるか”を知るためのもの」批判殺到の“都道府県の魅力度ランキング”、ブランド総合研究所・田中社長を直撃

 お笑い芸人のパックンは「相方のマックンは群馬県出身なので、“お前の県は魅力ないじゃん”とネタにしているが、やっぱり日本は“三大”とか“ランキング”が好きだ。しかもどこが発表ものかといった“出典”をほとんど気にせず、すぐにオーソリティにしてしまう。実は今日もディレクターにお願いしてフリップに出典元を足してもらった。結果、下の方に小さく載せてもらえたが、本当は見出しのところに大きく載せるべきだ」と指摘。

 その上で「日本総合研究所というところが地域の平均寿命や平均賃金などをもとに“幸福度ランキング”を発表している。これはアンケート調査ではなく、データを集めて集計して結果を出しているが、魅力度ランキングとは全く異なる結果になっている。この幸福度ランキングこそが魅力度のランキングではないのか。経済状態やいい学校があるといったことを周知活動してランキングを上げていくことが必要で、知名度だけを高めるのが魅力度を高めるということにはならないのではないか」と投げかけた。

「あくまでも“どれだけファンがいるか”を知るためのもの」批判殺到の“都道府県の魅力度ランキング”、ブランド総合研究所・田中社長を直撃

 カンニング竹山は「僕は福島県によく遊びに行って色々な発見があったり、楽しかったりするが、このランキングを見ると47都道府県中、34位と、けっこう下位の方なので、この順位の通りなのかな、と疑問に思うところもある。上位には人口の多い大都市や、企業の本社が多い自治体が来るわけで、本来もっと魅力を出さなきゃいけない自治体が下位の方にいて、“それはそうだね”というランキングになってしまっている。昔は面白かったけど、古くなっていないだろうか。ただ、そもそもテレビもネットも収入ランキング、芸人ランキング、好きなテレビ番組ランキング…と、ランキングだらけだし、“果たして1位は?”みたいなのばっかり。ほとんどは極論すれば意味がないんじゃないかと思っている」。

 石田氏は「今、当たり前のように“嫌いな芸能人ランキング”などが報じられる。あれって、誰がどう見ても不快で、何のために出しているのか分からない。誰か傷つくようなランキングって作る意味がない」と批判した。

■「あくまでも“どれだけファンがいるか”を知るためのものだ」

「あくまでも“どれだけファンがいるか”を知るためのもの」批判殺到の“都道府県の魅力度ランキング”、ブランド総合研究所・田中社長を直撃

 こうした意見を受け、田中社長は「ネガティブなランキングを作る意味はない。我々のランキングも、あくまでもポジティブな意見でしかないし、順位が下のほうだからといって、嫌いだということではない。これが市町村のランキングであれば“知らない”ということであって、ネガティブなイメージを持たれているということとは全く違う」と説明。

 改めて「ブランドというのは、どれだけファンがいるか、だ。その意味では、このランキングも、どれだけファンがいるか、というものになる。栃木県で言えば日光、群馬県であれば草津温泉という、皆さんもよく知っている、魅力ある観光地がある。しかし、それが県のイメージとつながっていない。地域にとって必要なのは、人、物、金を外から集めてくることだ。地域活性化というのは、それを促すことだし、そのためには地域外の人たちからどう思われているかを真摯に受け止めることが必要だ。この調査も、その問題提起をするためのものだ」と話していた。(『ABEMA Prime』より)

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