数々の名勝負を繰り広げてきた名棋士たちも、初の“監督業”に大慌てだ。女流による早指し団体戦「第2回女流ABEMAトーナメント」の予選Aリーグ第3試合、チーム伊藤とチーム山根の対戦が10月23日に放送された。チーム伊藤の監督は18歳でタイトルを獲得した屋敷伸之九段(49)、チーム山根の監督は永世名人の有資格者・森内俊之九段(51)。将棋のことであれば、慌てることなど何もなさそうな2人ではあるが、女流棋士たちの激しい勝負に、見守っているうちにうずうず。頭を抱えたり、声を出して応援したりと、めったに見せないリアクションの連続となった。
【動画】監督を務めた森内九段と屋敷九段
森内九段、屋敷九段、それぞれ選手としてはABEMAトーナメントに出場。団体戦、フィッシャールールは経験済みだが、今回の女流ABEMAトーナメントで導入された「監督制度」は初体験。試合前日までは事前の練習、当日は限られた時間でアドバイスをしたり、選手を出す順番を決めたりと、不慣れながらチームの勝敗に直結する采配をふるっていた。
ただ、いざ対局が始まってからは途中で指示を送ることができず、監督室でチームの勝利を祈るだけ。ここで、いろいろとリアクションの差が出た。声が出るタイプなのは屋敷九段だ。「行け!行け!」「ひえー、そこなんですか。すげーな」「飛車、飛車、飛車!これは来たんじゃねえの」「おー、力強ぇ!力強ぇ!」と、趣味であるボートレースを観戦するかのような熱の入りっぷり。ファンからも「盛り上がってる」「時間が経つほどに元気になる屋敷監督」という声が飛んだ。
一方、じっと見守るタイプが森内九段。時折ため息をつく程度だったが、思わず声が漏れたシーンも。驚きのあまり軽く飛び跳ね「いやいやいやいや」とつぶやくと、頭を抱えたり、かいたりと落ち着かず、セットしていた髪もボサボサ状態に。ただ、それだけ女流棋士の戦いぶりにのめり込んでいる証しにもなり、「森内さんびっくりしとるw」「飛び上がった」「可愛すぎ」という感想も寄せられていた。
◆第2回女流ABEMAトーナメント 第1回は個人戦として開催され、第2回から団体戦に。ドラフト会議で6人のリーダー棋士が2人ずつ指名し、3人1組のチームを作る。各チームには監督棋士がつき、対局の合間にアドバイスをもらうことができる。3チームずつ2つのリーグに分かれ総当たり戦を行い、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。チームの対戦は予選、本戦通じて、5本先取の9本勝負で行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)