投開票まで1週間を切った衆議院選挙。各地では候補者たちによる熱のこもった演説が行われているが、そんな中、ネットに投稿されたある漫画が反響を呼んでいる。
【映像】“選挙カー”で目を覚ました赤ちゃん 母親は泣きながら「大丈夫…」(漫画の続き)
投稿主はやまぎしみゆきさん(@yukiyama_27)。現在、4歳の長女と2歳の次女の母親だ。やまぎしさんが過去に体験したエピソードをもとに作られたこの物語は、母親が赤ちゃんを寝かしつける…という場面から始まる。
「選挙の時期になるといつも思い出すことがある」
「1時間以上たって 眠ってくれた」
物語の主人公は、生後間もない赤ちゃんを抱える母親。この日もいつもと同じように、あの手この手を使い、懸命に子どもを寝かしつける。ようやく子どもが眠りにつき、ほっと一息ついたそのとき……
「えー地域の皆さまお騒がせしております。△△党の「オコシ マスヨ」でございます」
窓の外から聴こえてきたのは通りかかった「選挙カー」による名前の呼びかけ。寝かしつけた赤ちゃんは再び起きてしまう。その後も昼夜問わず流れてくる選挙カーの呼びかけに、母親は頭を抱えてしまう……というストーリーだ。
選挙活動において多くの候補者が使用する選挙運動用自動車、いわゆる”選挙カー”。公職選挙法では、あさの8時からよるの8時まで選挙カーを使い、呼びかけを行うことが認められている。その一方、車から発せられる声の音量については、病院や診療所、学校などの周辺を除き制限はなく、こうした選挙の際に、度々話題になることも。
ネットでもこの漫画に対して「今まさしくこれで眠れない娘が可哀想になって泣きかけたところです」「赤ちゃんの為だけじゃなくて仕事で昼間寝なきゃいけない人のためにも選挙カーやめてほしい」「民主主義の国で選挙は人権、自由、生存にとって不可欠なものだし、そのための選挙活動なんだから、救急車や消防車のサイレンと同様に甘受すべき騒音だと思う」など、さまざまな声が寄せられている。
ニュース番組「ABEMAヒルズ」では、この漫画を投稿したやまぎしさんを取材。当時について、こう振り返る。
「やっと(子供が)寝てくれても起こされるっていう、かなり怒りの気持ちが強かったです。びっくりするくらいの音量だったので。なので、子供もすぐに目を覚ましちゃいましたね。『あーもうやり直しだなぁ』っていう気持ちでした」
候補者にとっては法律で限られた範囲内で自身をアピールするため重要な役割を果たす一方、この漫画のように頭を抱えてしまう人もいる「選挙カー」による呼びかけ。やまぎしさんは「選挙カーを必要としている人はいる」とした上で、「時代の変化に合わせて、さまざまなライフスタイルの人に平等に声が届く仕組みづくりをしてほしい」と訴える。
「選挙カーって、昔から行われてきた(アピールの)方法だと思うんですけど、インターネットが普及している今の時代に、この方法が果たして必要なのかなと強く思います。とはいえ、選挙カーで喜ぶ人がいるのもおそらく事実で、これをきっかけに選挙カーの是非や法整備などの議論が進んでくれたらいいなと思います」 (『ABEMAヒルズ』より)
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