投開票まで5日に迫った衆議院選挙。ABEMA『倍速ニュース』では、9党それぞれの公約を解説。第8回は「社民党」について、テレビ朝日政治部の今野忍記者が伝える。
【新型コロナ対策】
Q.新型コロナ対策について、社民党はどのような公約を掲げている?
医療体制の強化に全力を尽くすとしていて、入院できずに自宅療養を強いられる人が出ないよう、緊急で臨時の病院を開設するとしている。また、事業者などに自粛や時短営業、休業要請を要請する際には十分な補償を行うほか、新たに1人一律10万円の特別給付金を支給するとしている。
【経済対策と社会保障】
Q経済対策についてはどのような公約を掲げている?
消費税について「貧困層に大きな負担になっている」として、3年間に限って消費税率をゼロにするとしている。社民党も、立憲民主党、共産党、れいわと野党4党での共通政策を結んでいるため、その中では5%への時限減税だが、党としては3年間ゼロを公約にしている。
財源としては、大企業の内部留保への課税や法人税、金融所得課税などを見直していくとしている。特に福島党首は、安倍政権が始まった2012度と終わった2020年度を比べて、働く人の実質賃金は下がっているのに対し、企業の内部留保は300兆円から484兆円と積みあがっている、と批判していて、大企業や富裕層に応分の負担を求める税制へと改革すると訴えている。
また、非正規雇用の増大に歯止めをかけ、最低賃金を全国一律で時給1500円に引き上げるとも訴えている。
【外交政策】
Q.外交・安全保障については?
米中対立の中、「台湾有事」が懸念されているとして、万一軍事衝突が起こったら、戦場になるのは沖縄や南西諸島だとして、再び沖縄を戦場にしてはならないと訴えている。戦争ではなく、平和外交で北東アジアの平和をつくるべきだと言っていて、沖縄県辺野古の米軍基地建設も中止を主張している。
また「核兵器禁止条約」についても、署名・批准を実現するとしている。
【教育政策などについて】
Q.教育や若者支援については?
奨学金を原則、給付型にして、貸与型の奨学金は例外的なものにするとしている。また、高校の授業料無償化の制度から朝鮮学校を外す差別をやめて、国籍を問わずに子どもたちに学ぶ権利を保障するとしている。
【各党が重点を置く政策】
Q.このほかに社民党の注目すべき公約はある?
社民党は昔の社会党からの流れをくんでいる歴史もあって、原発と憲法に力を入れていて、脱原発・脱炭素社会を実現するとしている。
政府は2050年の脱炭素を宣言する一方で、先週閣議決定したエネルギー基本計画では原発比率を20~22%という目標を掲げている。それに対して、社民党は「原発ゼロ基本法案」を掲げている。すべての原発を速やかに停止し、法律の施行後、5年以内にすべての原発の廃炉を決める、としている。福島第一原発にたまった汚染水の海洋放出にも絶対に反対だとしている。一方で、省エネと再エネによって2050年に自然エネルギー100%実現を目指すとしている。
憲法については、憲法は変えるべきではない、と護憲の立場を貫く姿勢。2015年に成立した安保法制は違憲だとして廃止を目指すとしている。また、今年6月に成立した自衛隊の基地など、安全保障上、重要な施設の周辺の土地利用を規制する「重要土地規制法」の廃止も目指すとしている。(ABEMA/『アベマ倍速ニュース』より)