将棋の竜王戦七番勝負第3局が10月31日に2日目を迎え、前日30日に豊島将之竜王(31)が封じた46手目が午前9時ごろに開封された。封じ手は「△3三金」。挑戦者の藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖、19)の手番で対局は再開、封じ手時の形勢は互角で、持ち時間では豊島竜王が約1時間リードを奪っている。
【中継】第34期 竜王戦 七番勝負 第三局 2日目 豊島将之竜王 対 藤井聡太三冠
藤井三冠が勝てば竜王奪取、最年少四冠記録の更新に王手がかかる一局は、両者間では7局ぶりとなる角換わりからスタート。お互い右の銀を前線へと押し出す早繰り銀を採用すると、早い段階で銀の交換も入る激しい展開に。一気に盤上の緊迫感が増したこともあり、ここからは長考合戦に入った。37手目に藤井三冠63分、38手目に豊島竜王101分、39手目に藤井三冠105分と、3手で4時間半近くを費やすと、封じ手の46手目にも豊島竜王は74分を使った。
将棋界きっての研究家として知られる豊島竜王の作戦と、詰将棋などで培われた突出した藤井三冠の終盤力、という構図で両者の戦いは語られてきたが、今年度タイトルをかけた戦いを続けるうちに徐々に変化。藤井三冠が課題として挙げていた序盤でも、豊島竜王に引けを取らない工夫を見せ始め、互角かそれ以上の形勢で得意の中終盤に持ち込める展開が増えている。特に竜王戦第2局では後手番ながら、序盤の工夫で豊島竜王を上回り、そのリードを少しずつ拡大。70手という短手数、完勝とも言える内容で制した。
新たな最年少記録を目指す藤井三冠に対して、豊島竜王も史上4人目の「竜王・名人」を達成するなど、将棋界をリードしてきただけに、この最高峰タイトルを簡単に手放すわけにはいかない。2018年度に棋聖で初タイトルを獲得して以来、王位、名人、竜王、叡王と手にしていたが、同シリーズで失冠すれば、ついに無冠に転落する。「藤井時代」の到来に待ったをかけ、さらにトップ集団に食らいつくためにも、このタイトルは死守したいところだ。
持ち時間は各8時間の2日制で、先手は藤井三冠。ABEMAでは、この対局を終了まで生放送する。また、カメラ視点を切り替えられるマルチアングル放送も実施している。
【封じ手時の残り持ち時間】
豊島将之竜王 4時間29分(消費3時間31分) 藤井聡太三冠 3時間36分(消費4時間24分)
(ABEMA/将棋チャンネルより)