11月5日公開の映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』で人気実力派女優・伊藤沙莉がヒロイン役を演じる。
この映画は、2017年に刊行した作家・燃え殻さんの同名恋愛小説が原作で、“誰もが感じる切なさや懐かしさ”を凝縮した物語を描いた作品。SNSを中心に幅広い世代の読者からの共感を生み、あいみょんや吉岡里帆など、芸能界にもファンを持つ話題作となっている。
主人公は、森山未來が演じるテレビ美術業界で働く佐藤。21歳の時に初めて付き合った恋人・かおり(伊藤)の存在を25年間忘れられず、少しずつ時代をさかのぼって思い出していくストーリー。
ヒロインを演じる伊藤は、2003年に9歳で子役デビュー。いまや演技が上手い実力派女優として活躍している。そんな伊藤が「ABEMA NEWS」の取材に応じ、18年の女優人生で“一番悩んだ”と語る今作の役作りと主演の森山との共演秘話を明かした。
――森山さんとは初共演とのことですが、最初の印象はいかがでしたか?
「憧れの存在でしたし、とにかく緊張でしたね。もう何考えているか分からないし、ミステリアスなイメージなので(笑)でも意外と喋ってみると、すごく気さくであったりとか、それこそ“かおり”をやるにあたって、アドバイスをくださったりとかすごく支えていただきました」
――映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』はどんな作品ですか?
「1人の男性の人生をすごく丁寧に描いているっていうことが一番のテーマというか、やっぱり1人1人みんな人生があって、過去にこんなことがあるからこういう人ができてみたいな……。意外と身近にある共通点だったりとか、投影がしやすい作品ではあるんですよね。だからみんなに寄り添った作品になっているとは思います」
――では、伊藤さんが演じる“かおり”はどのようなキャラクターですか?
「きっと“かおり”自身が難しい子というよりは、原作から“佐藤”がつかめなかった分、ヒントがすごく少ないですね。わかりやすいところでいうと、奔放であったりとか、嘘があんまりない子だったりとか、表面上はすごく語りやすい子なんです。ただ、中が見えない、奥がわからないっていう、ある意味そういった魅力の持ち主なんだろうなと。本人はただ楽しく生きている、楽しく生きているだけの子ですね」
――今作を通して、伊藤さんが感じた森山さんの印象を教えてください
「私が『すごく良い先輩だな』『良い役者だな』と思う人に共通しているのは、“本人が一番悩んでる”ということなので、 未來さんが『これをどうしたらいいか』『ここが難しい』とか言ってくれることが、むしろこっちは安心できることなので。それを一緒に悩んだりとか、一緒に苦しんだりしてくれてる様が本当に素敵でしたし、人間を描いて演じてるんだから、それは人間じゃないと人の気持ちがわかったり、痛みがわからないとできないことだと思うので見られてよかったなとは思いますね」
――これからどういう役者を目指したいですか?
「こういうご時世になって、エンターテインメントがいるのかいらないのかみたいな。『いやいるだろ!』って思うんですけど。そういうふうになんとなくなっていたりする中で、(エンタメ業界を)目指さなくなっちゃうと嫌だなと思うんです。目指す子が減ったりとか。みんなが思っているほどキラキラばっかしてる世界ではないと思うし、苦しいこととかもあると思うけど、でも楽しいよっていうのはすごく伝えていきたいし、そうなったときに『この人とお芝居をしてみたい』とか『お芝居を近くで感じてみたい』とか思ってくれる、役者さんとかも増やしていけるような人になれたら何か貢献になるのかなとは思いますね」
(『ABEMA NEWS』より)
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