「星野リゾート」が中国大陸初進出 日本に理解のある天台山という地、“おもてなし”は人気を呼ぶ?
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 中国の上海市内から車で5時間、星野リゾートが中国大陸初進出の場所に選んだのは、日本ともゆかりが深い天台山。浙江省東部、標高約1100mの天台山は、道教や仏教の修業の場として知られ、約1200年前に遣唐使として海を渡った最澄もここで修行し、のちに日本で天台宗を開いた。

【映像】星野リゾート嘉助天台の外装・内装、料理も

 2021年4月にオープンした、「星野リゾート嘉助天台」。スイートルームは一泊約25万円(1元=17円計算)、一番安い部屋でも約5万円(同)からと、なかなかの敷居の高さだ。ただ、新型コロナの影響で日本を訪れるのが難しいこともあり、中国の富裕層を中心に人気が出始めているという。一方で、利用者からは「日本の星野リゾートとはまだちょっと差があるかも」という意見も。

「星野リゾート」が中国大陸初進出 日本に理解のある天台山という地、“おもてなし”は人気を呼ぶ?

 同ホテルの初海延愛支配人は「他の中国のホテルとは違うな、という声もよく耳にします。まずはこの天台山で一番のホテルに選ばれて、その次に星野リゾートが提案しているサービスを中国全土でできるようになればいい」と話す。

 日本の「おもてなし」を求めてやってくる中国人たちに、日本に行く以上の満足を提供する――。星野リゾートの戦略は中国で成功するのか。現地を取材したANN上海支局の高橋大作支局長が伝える。

Q.なぜ星野リゾートは中国に進出? なぜ天台山を選んだ?
 以前から、中国全土の総合不動産からのオファーは多数あったようだ。天台山を選んだ理由は2つあって、1つは最澄ゆかりの場所であるということ。星野リゾートは以前、比叡山延暦寺でもホテルを運営していたことがあって、そういった“ストーリー”がある。もう1つがポイントで、天台山という場所の将来性。道教や仏教のいろんな名所があるが、このホテルの周りが再開発エリアになっている。ホテルだけではなく観光地用の商店街ができたり、それこそものすごい富裕層用の別荘地が建てられていたりする。

「星野リゾート」が中国大陸初進出 日本に理解のある天台山という地、“おもてなし”は人気を呼ぶ?

 さらに、すぐ近くにあるテーマパーク、「緑城」というのが会社の名前で、大手のデベロッパー「緑城集団」というのがある。日本でいうといわゆる金融や不動産をやっているオリックスグループのような会社だ。実はこの会社が「星野リゾート嘉助天台」を建てて、運営を星野リゾートに任せたというところ。

 緑城集団はサッカーチームを持っているが、日本代表の岡田武史元監督やフィリップ・トルシエ監督を迎え入れるなど、非常に日本の形式に対して理解がある。そんな緑城集団がホテルを作って、そこを日本の星野リゾートに任せたというのが今回の構図だ。

Q.外観や内装など、日本の星野リゾートとの違いはある?

「星野リゾート」が中国大陸初進出 日本に理解のある天台山という地、“おもてなし”は人気を呼ぶ?

 見た目は完全に中国式というか、天台山に伝わる仏教や・道教のイメージを随所に散りばめている。ただその中身、おもてなしが星野リゾート風、日本式だ。私たちの取材が始まるまで30分あったが、スタッフの方が入れ代わり立ち代わり気にかけてくれた。全国のホテルは西洋式のおもてなしで、例えば「水がほしい」と言われたら動くスタイルだが、星野リゾートはお客さんが「してほしい」と言う前に察して動くというところが、他のホテルとは違うポイントだと話していた。

Q.コロナ禍で影響はあった?
 4月にオープンしてなぜ9月末の取材になったかというと、4月に少しコロナが増えてきて、案内していたメディアツアーそのものがなくなったということがあった。さらに8月、夏休みの時期はかき入れ時だが、このあたりにも少ない数だが感染者が数十人出た。それでキャンセルが相次いだところで、お客さんがなかなか増えてないという状況に直面している。

Q.働いているスタッフは現地の中国人?
 今、約120人のスタッフがいるが、日本人は4人だけ。1人がVTRにも出ていた方(初海さん)だが、もともと生まれは中国で、日本の星野リゾートに就職して、日本に帰化してこちらに来ている。そして、料理をしている3人、この4人が日本人だ。ほかはみんな中国人で、海外進出するというのは、日本のノウハウを持っていって、トレーニングして、雇用も生み出して、街も活性化させていくというのが、星野リゾートの1つのビジネスモデルだそうだ。

「星野リゾート」が中国大陸初進出 日本に理解のある天台山という地、“おもてなし”は人気を呼ぶ?

Q.日本の「おもてなし」は中国の人に人気が出そう?
 これは体験した方にしか(わからない)。いろんな人に話を聞いたが、今の段階で来ているお客さんの半分は、日本のことが大好き、日本に行ったことがある、日本の星野リゾートのことを知っているという人。もう半分は、知らないけれども新しいホテルができたから来た、という人だ。

 その知らないで来た人をどう満足させられるかが1つのポイントになると思うが、これはどうなるかというところ。中国で観光地というと、人が多くて騒がしいところが多いが、ここは本当に静か。今は60室しか営業してないので、満室になってもかなり静かなところだ。もともと富裕層を狙っているが、本当のお金持ちが逆に静寂を求めてやってくるというか、新しい価値観を提供しているように思う。

 もう1つ、この天台山という地域は、地元では有名な観光地だ。関西でいうと六甲山のような、地元ではみんな行くけれども、全国的にはそこまで有名ではない。天台山もそのようなところだ。ここに星野リゾートがある、ということでアピールして、中国全土から天台山を注目させたい狙いがある。そうなった時に、お客さんのパイが大きく広がる可能性がある。

ABEMA/『アベマ倍速ニュース』より)
 

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