先月31日、京王線国領駅付近を走行中の電車内で火災を起こし、刃物で乗客を切り付けた疑いで服部恭太容疑者(自称・24歳)が逮捕された。
【映像】警察官「刃物を捨てろ」 確保される服部容疑者(30秒ごろ~)
動画にはハロウィーンの夜、バッドマンの悪役「ジョーカー」の仮装をしてたばこを吸う服部容疑者が映っている。
事件が起きたのは、東京・調布市、走行中の京王線・新宿行き、上りの特急電車の中だ。これまでに17人がけがをしていて、このうち70代の男性は右胸を刺され、意識不明の重体となっている。
「危ない危ない危ない」
「押さないで! 押さない!」
「早く!早く!早く!」
事件発生時の緊迫した車内の様子を撮影した動画を見ると、前方から多くの乗客が次々と押し寄せ、行き場を失っているのがわかる。
「ピーピー、ピーピー」と警報音が鳴り、さらに多くの乗客が逃げてきた、その瞬間、前方の車両から火の手が上がり、黒煙が立ち込めた。
「え~!燃えてる燃えてる」
「降りれる降りれる」
「降りよう」
「停めろ!!」(※叫び声)
「降りよう降りよう」
電車が駅に到着し、減速した次の瞬間、後方車両で爆発が発生。煙が乗客の元までやってくる。
「ヤバイ、降りよう、はよ、ドア開け」
「前行こう前」
「早く逃げろよ!火事火事」
乗客たちは後方車両の乗客にも避難を呼びかけながら、窓から何とか脱出していった。この動画を撮影した乗客は「ホームでなんとか命からがら自分は脱出した感じでした。非常に怖かったです」と現場の状況を告白。また、後方車両の爆発について「隣の車両だったんですけど、目視で炎が上がってるのがみえました」とコメント。事件時の服部容疑者はどのような様子だったのだろうか。
「犯人(服部容疑者)はホームと反対側の椅子に座ってまして、抵抗するわけでもなく、叫ぶでもなく、おとなしく座っていた感じです」
【現場に居合わせた他の乗客の声】
「まさか自分が乗っている車両でこんな事件が起きるとは思ってなくて、死ぬのかなって思って。とりあえず混んでいる状況でLINEで『死ぬかもしれんけどありがとう』ってお母さんには送りました」
服部容疑者は刃物を振り回し、乗客を切りつけた上、液体をまいて車内に火をつけたとみられている。東京消防庁によると消防車など31台が出動し、午後8時半ごろ、ほぼ消し止められたという。
服部容疑者は駆け付けた警察官に対し、暴れることなく「刃物を捨てろ」と言われると、刃物をシートに置き、所持品の検査に応じていた。しかし、事件発生からわずか5分後の8時1分に撮影された11秒の動画を見てみると、驚くことに犯行後、車内のシートに座りながらタバコを吸っていた。
動画を撮影した乗客はこう語る。
「犯行を終えた後、だから犯人も見ての通り、左手めちゃくちゃタバコ震えてたんですよ。外から犯人が中でタバコ吸って右手にナイフ持って、ずっと震えていた様子で、あそこに5分ほど座っていた」
警視庁によると服部容疑者は、容疑を認めていて「人を殺して死刑になりたかった。2人殺せば死刑になると思った」と供述していて、「8月に小田急線で乗客が牛刀で切り付けられた事件を参考にした」と話しているという。
テロ対策に詳しい板橋功(いさお)さんは、電車内における避難や防犯について「無差別な事件に対して、なかなか有効な対策はない」と語る。
「映像で特徴的だったのが、事件が起こっている車両から人がどんどんと違う車両へ走っていく姿があった。気をつけなきゃいけないのは、一定方向に一気に人が移動するのは、将棋倒しが起こったりするので、そこはもっと冷静に対応する必要があります。しかし、状況的には致し方ないんだろうなと思いますね。車内に(防犯)カメラを順次設置していったり、非常用通報装置の啓蒙みたいなことをやっても、なかなかこういう無差別な事件に対して、有効な対策はない」(『ABEMAヒルズ』より)
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