「タガが外れた」乃木坂46の元メンバー・能條愛未、節目の年に大胆ラブシーンに初挑戦

　覚悟が刻まれている。乃木坂46の元メンバーで女優の能條愛未が、ABEMAオリジナルドラマ『私が獣になった夜〜名前のない関係〜』の第1話に主演。自身初のハードなラブシーンに挑戦した。乃木坂時代から所属していた事務所を辞め、今年4月から新天地で活動の幅を広げている最中。そんな節目に能條が選んだのが、女心を赤裸々に描いたドラマであり、自身最大の勝負作。能條は今、体にへばりついた“元アイドル”という肩書に爪を立て、内側から破り捨てようとしている。

【動画】能條愛未、大胆なベッドシーンに挑戦『『私が獣になった夜〜名前のない関係〜』

　乃木坂時代はバラエティ担当。そのイメージとキャラクターが尾を引いているのも事実。だから能條は本作で決意表明をした。しかも今年は事務所移籍という節目の年。「私自身、スタートラインという気持ちで挑みました。本格的に女優の道を歩いていくという決意表明でもあるので、乃木坂時代の私を知る人たちは相当驚くのではないかと思います。でもそれが狙い。『私だって獣になれるんだぞ！』という強い気持ちを受け取ってほしい」と不退転の思いを口にする。

　たしかに驚かされる。演じたのは、身体だけの関係を続ける男性に都合よく利用されながらも、その男性が好きだから離れられないという役どころだからだ。赤裸々かつリアルな絡みのシーンもある。悩まないわけがない。「自分にできるのか？という不安と葛藤はありました。やるならば中途半端な気持ちではいけないとも思いました」と熟考を重ねた上での二つ返事だった。しかしラブシーンの撮影時間が近づいてくるにつれて「緊張が高まり、怖いという気持ちも出てきた」という。

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　そんな戸惑いや迷いを打ち消したのはほかでもない、自分自身だった。「この物語において、ラブシーンはとても大事な場面。そこに自分の不安感や戸惑い、恥ずかしさが少しでも見えてしまったら作品自体を台無しにしてしまう。もし私が視聴者だったら確実に冷める。そんなことは絶対にダメ」。

　監督からのスタートの声がかかる。気づいたら能條は「タガが外れていました。邪念など一切なしに、その場で役を生きた感覚がありました」と獣化報告。その甲斐あって当該シーンは、女性の悲しみとエロティシズムが滴る印象的な場面に相成った。“腹”をくくったチャレンジ。だからなのか終わった瞬間に“小腹”が空いたという。「お腹がポッコリと出ないよう撮影前の食事は普段の半分にしていたので、撮影後はコンビニのシュークリームを食べちゃいました」とニッコリ。

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　もちろん獣化は本番中のみ。「カットがかかると素に戻ってしまうわけですから、急に照れちゃって相手役の野村祐希さんともまともに会話できませんでした。カットがかかるとダメ。思い出して一人で勝手に恥ずかしくなっていました」と照れ笑いだが、役者気質という証拠でもある。

　クライマックスの長回し号泣場面は、ラブシーン以上のインパクトがある。「台本を読んで気持ちを高めて。悲しく切ない気持ちを溜めたまま本番に挑みました」というものの、実はリハーサルの段階から感情は爆発していた。「気持ちを抑えることができず、リハから大号泣。本番含めて計4回も大号泣。泣くのが得意なのかもしれない」と武器を見つけて嬉しそうだ。

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　アイドルからの女優転身組も多い昨今、共に切磋琢磨していきたいという。「私がこの作品に挑戦したことがほかの子たちの刺激になったら嬉しい。私も乃木坂46の卒業生が挑戦している姿を見ると“頑張らなければ！”と背中を押されるから」と良きライバルであり良き同志と捉えている。

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　アイドル時代に得た感情も女優業の肥やしになっている。「アイドルという職業はちやほやされると同時に、心無い言葉を投げつけられることもある職業。楽しい事以上に、悔しいと思うこともありました。その時に得た感情が、今お芝居の中で活きている気がする。人はそれを“引き出し”と言うのかもしれませんが、その引き出しが増えたのはアイドル経験があったからこそ」。過去の経験に感謝を込めながら、女優・能條愛未は第二章への一歩を踏み出した。