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 EXILE HIROとSSFF&ASIAの代表を務める別所哲也、作詞家の小竹正人によるシネマ・プロジェクト『CINEMA FIGHTERS project』の第4弾『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』が、まもなく封切られる。本企画は、LDH JAPANがおくる楽曲の世界観を、国内外で活躍する監督たちがショートフィルムとして具現化する、音楽と映像による新たな形態だ。

 これまで様々な俳優、アーティストが出演してきた『CINEMA FIGHTERS project』だが、『昨日より赤く明日より青く』では、6篇すべてにGENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーが参加し、多彩な物語が誕生した。本稿では、『真夜中のひとりたち』に主演する関口メンディー、『水のない海』に主演する小森隼に対談してもらった。

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 『真夜中のひとりたち』は、『ひるなかの流星』や『午前0時、キスしに来てよ』で知られる新城毅彦監督の1篇。大切な人を喪失した男女が歩く東京の一夜を、関口が繊細に表現した。一方、『水のない海』は他人との関わりを避けてきた青年と中国人留学生の出会いを、小森とは10年以上の付き合いのある久保茂昭監督が撮った。普段から気ごころの知れているふたりは、互いの作品をどう観たのだろうか。

メンディー、隼の役者としての成長ぶりに「一番飛躍してた!」

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――関口さんも小森さんも、『昨日より赤く明日より青く』6篇すべてをご覧になっていますよね。お互いに作品の感想などを、言い合ったりしましたか?

関口: そうですね!みんなで「あの作品良かったよね」とか「あのシーン良かったよね」とか、もしくは「なんか撮影大変そうだったね」とか(笑)。そんな話はしていました。

小森: メンディーさんが言うように、「あの作品よかったね」は、もちろんありました。『昨日より赤く明日より青く』は撮影期間が長かったんですよ。最初に撮った人と一番最後に撮った人では、1年半ぐらい空いていて。なので「終わった?」とか「いつ撮るの?」とか、みんなで製作過程を話していたイメージがあります。とにかく無事完成したことが、僕としてはうれしかったですね。

――すべての作品に違ったよさがありました。『真夜中のひとりたち』は、関口さんの男としての魅力が凝縮されたような1作で。

小森: いいんだよな、あの作品!

関口: いやいや、ありがとう!!そういう一面、隠していたところもあるんで、ちょっとバレちゃったな、という感じでしたね…(笑)。

――小森さんからは、新鮮に映りましたか?

小森: 僕は普段のメンディーさんと、この作品の役のメンディーさんを照らし合わせず観たので、逆にすごく観やすかったんです。メンディーさんみたいなキャラクターは、常日頃ピエロで…。

関口: ピエロって(笑)。

小森: 作品の中で涙する姿とか、あったじゃないですか。プレッシャーを抱えて生きていて普段は弱音を吐けないけど、何かきっかけがあったり、出来事が重なって人に影響されて、自分の本音を思わず出せる瞬間ってあるよな、と。「やっぱ人ってそうだよな」みたいに思いました。心の弱さみたいなものが前面に出ている作品だったので、すごくぐっときましたね。そこがすごく格好いいとも思いました。

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▲関口メンディー主演『真夜中のひとりたち』

――関口さんは、小森さんの『水のない海』をどうご覧になりましたか?

関口: 隼って今回何作品目なの?

小森: かれこれ30作品近くなるかな。

関口: あれ…自主製作かな?表に出ない自主制作を水面下でいっぱいやっていたのかな…?

小森: (笑)。ごめんごめん、4作品目です。

関口: ほかのメンバーに比べて、出演作品の数という経験は少ないかもしれないけど、僕は隼が一番飛躍した気がしています。もちろん『6 from HiGH&LOW THE WORST』で観ていた隼とは役柄が違うというのもありますけど、表情や表現がすごく洗練されていて、隼の進化をめちゃめちゃ感じました。よかったです。

撮影での苦労に、「ちょっと監督にクレームを入れようかな(笑)」

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――演技面でのご苦労など、ありましたか?

小森: 僕が演じるユキオは宅配サービス員で、唯一の話し相手が耳につけている人工知能音声アシスタントのOSだったから、ほとんど人としゃべっていないようなシーンばかりでした。…いやもう、苦労しました(苦笑)。耳につけて録音した音が流れて、それに対して僕がひとりでしゃべるという。あと、(知り合うことになる)ジェニ役のルナさんと話すシーンでも、向こうは全部中国語だから「え!何言ってるかわかんない…!」みたいな感じで。対人(ひと)みたいなところは、すごく大変でした。

――宅配員ということで、東京の町中を自転車で移動するようなシーンも多く出てきます。

小森: はい。結構ゲリラ的にやっていたんです。カメラマンがほとんどついてない状態で、GoProをつけて「ひとりでしゃべって、ひとりで撮ってきてください」という感じで。「え、そんな単独行動あります!?」というぐらい(笑)。自転車に乗っているシーンは全部ひとりぼっちなので、その間はAIとの会話だから、ひとりでずーっとブツブツしゃべっている、みたいな。あれ?苦労ばかり?ちょっと監督にクレームを入れようかな(笑)。

関口: 長い付き合いだもんね(笑)。

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▲小森隼主演『水のない海』

――久保監督とは普段MVでご一緒されたりと、縁が深いですよね。

小森: もう10年以上の付き合いなんです。

――MVのときと作品の演出で、何か変わるものですか?

小森: あー、どうですかね!?現場にいるときの監督の雰囲気は、あまり変わらないかもしれないです。ちなみに、僕の演技は全部久保監督がデビューなんです。映画『6』も久保監督の作品ですし、自分がデビュー前にMVで演技させていただいたときも、中学3年生のときにやった作品も、今回のショートフィルムも久保監督。今後も久保監督とは機会に恵まれながら、何か一緒に作品を作っていきたいな、と思いました。

――改めて、俳優業についてのチャレンジ精神が湧いてきたりなどは。

小森: いやあ、やっぱりすごく大変なものだな、とも感じます。GENERATIONSでは、そこのフィールドにチャレンジして戦っているメンバーがいるので、改めてリスペクトというか、尊敬の念が強くなりました。

自分で決めつける必要はない、もっといろいろな役をやっていきたい

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――関口さんはナイトロケが多そうでしたが、撮影は順調でしたか? 

関口: そうですね。大変だったことはあまりないんですけど、夜の撮影だったこともあってか、酔っ払いのおじさんがちょっと話しかけてきたり(笑)。

――「メンディーさんだ!」というような?

関口: あ、そうです、そうです。でも、そこまで話しかけられるという感じでもなく「あ~、撮影やってるわ」ぐらいな感じだったんですけど。

――今回、監督から「メンディーだったら絶対恋愛もので撮りたい」というコメントが出ていましたが、現場でいろいろお話されたりしたんですか?

関口: それが現場では本当に何も言われなかったんですよね。撮影が始まる前の読み合わせでは、「青木というキャラクターは、こんな感じだよね」というすり合わせみたいなものはしていったんです。けど、本当にそこぐらい。撮影が始まってからは、何かを指示されることもなく「いい感じだよ」と、すーって進んでいきました。ある意味、手ごたえとかは一切なかったんですけど(笑)、順調でした。

――関口さんは俳優業に関して、いかがですか?作品数も重ねてきた印象です。

関口: 僕、お芝居をするのも見るのも、すごく好きなんですよね。だから、本当にいろいろな役をやってみたいなと思います。昔だと、見た目で役が限られちゃうんじゃないか、というのもあったはずですけど、今は多様化が進んでいて「いろいろな人がいて当たり前だよね」という世界になってきていますよね。そう考えると、別に自分で「こういう役しかないな」と決めつける必要も全然ないのかなと思っていて。もっと自分の視野を拡げて、いろいろなお芝居、キャラクターにチャレンジしてみたいです。

関口&小森が「東京の一番キレイなところを案内」するなら…

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――『真夜中のひとりたち』では、青木が里実から「東京の一番きれいなところを案内して」と言われました。おふたりがもし言われたら、どこを案内しますか?

小森: 東京のきれいなところですか?悩みますね!

関口: えー。どこだろうな。

小森: 僕、(新宿)二丁目とか行きたいかもしれない。すごく縁(えん)の多い場所なので。「初めまして」の人でも、日本一違和感がない場所だと思うんですよ。隣のお客さんとは「初めまして」だけど、一緒に歌を歌ったり、お酒を飲んだりとか。しかも、「じゃあバイバイ」と言ってあとくされないですし。1日限りの思い出という意味では、そういうところに行って、出会った縁で飲み切りたい気持ちはありますね。

関口: そうか~!そうだね~…。

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小森: メンディーさんは?

関口: うーん…うーん…。もうベタに、東京タワー。

小森: ダメです、ダメです。ベタはダメです。すみません。

関口: 僕、あまり行ったことないんだよね。

小森: スカイツリーではなく?

関口: うん。

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――東京タワーがいいという、こだわりがあるんですね。

関口: 「東京」という名前がついていますし。

小森: ま、「東京」スカイツリーですけどね、正式名称。

関口: あ、そっか(笑)!!スカイツリーはキレイだと思うんですけど、下町のイメージがあるので、にぎやかで盛り上がっているのかなって。どちらかと言うと昼間に行きたい感じ。夜なら、東京タワーから見ると夜景がキラキラしてるんじゃないかな、と思ったので、昼ならスカイツリー、夜なら東京タワーでお願いします!

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取材、文:赤山恭子、写真:You Ishii

『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』2021年11月26日(金)劇場公開

 詩と音楽、映像を一つに融合したプロジェクトの第4弾。今回は6篇全てにGENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーが参加。SABU「BLUE BIRD」はドジな兄と陽気な弟とのかけがえのない絆を、新城毅彦「真夜中のひとりたち」はそれぞれ大切な人を喪失した男女が歩く東京の一夜を、山下敦弘「言えない二人」は大学生の青年が幼馴染に想いを伝えられない関係性を、森義隆「怪談満月蛤坂」は美しい女の幽霊に愛された料理人の怪異を、真利子哲也「COYOTE」は新型コロナ禍で急変する世界を、久保茂昭「水のない海」は他人との関わりを避けてきた青年と中国人留学生との出会いを、監督それぞれの個性あふれる物語が展開する。


「真夜中のひとりたち」監督:新城毅彦 出演:関口メンディー、阿部純子、村上淳 楽曲:「笑うしかないトラジディー」数原龍友(GENERATIONS from EXILE TRIBE)

「言えない二人」監督:山下敦弘 出演:白濱亜嵐、門脇麦、坂井真紀 楽曲:「そんなことキミに言えない」DEEP SQUAD

「怪談 満月蛤坂」監督:森義隆 出演:中務裕太、山田真歩、筒井真理子 楽曲:「散る散る満ちる」伶

「水のない海」監督:久保茂昭 出演:小森隼、ルナ、聡太郎 楽曲:「愛だけは…」iScream

「BLUE BIRD」監督:SABU 出演:佐野玲於醍醐虎汰朗 楽曲:「あおいとり」KAZUKI(DOBERMAN INFINITY)

「COYOTE」監督:真利子哲也 出演:片寄涼太、ステファニー・パーク、藤井武美、板倉武志 楽曲:「サクライロ」片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)

©2021 CINEMA FIGHTERS project

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