14日、WBA・IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(28=大橋)が、およそ2年ぶりとなる日本への凱旋マッチでIBF世界同級5位アラン・ディパエン(30=タイ)と対戦。8回2分34秒、レフェリーストップによるTKO勝利を収め、WBAでは6度目、IBFでは4度目となる防衛に成功した試合で、ゲスト解説を務めたYouTuber・ヒカキンの“本人も驚いた”ズバリ解説がネットで話題を呼んでいる。
格闘技好きで、井上尚弥の試合をこれまですべて見ているというヒカキンは注目の一戦でリングサイドの解説席に座った。1ラウンド終了後に感想を求められると「今まで見てきたモンスターの中でも一番、相当落ち着いていて、しっかり見極めていくのかなと感じた」とコメント。
井上のパンチが一方的に当たり始めた4ラウンドの終了時には「モンスターのパンチをあれだけ食らって立っているディパエン選手のタフさが半端ないですね。ボディーのパンチの音も、相当凄いのが入っていると思うのですが、それでも立っているのがただ者じゃない」と驚いた様子だ。
さらに6ラウンド中に実況を務めた矢野武アナに「これだけ長いラウンドを見ていられるんですね。日本のファンの方は」と話を振られると「そうですね。僕もいつも『すぐ終わってしまうのでは』という感じで、長く見れて幸せですが、そろそろその時(KO)が来るのではと思います」とモンスターのKO劇に期待を寄せた。
すると7ラウンド、井上の強烈な右フックを受けたディパエンがフラつき、「ドス」というボディーの鈍い衝撃音が度々会場に響きわたると「だいぶ一方的な展開になってきましたね。ディパエン選手の右脇腹が真っ赤になってきた。現場にいるとわかるんですけど、とてつもない音が鳴っているので。よく立っていられるな…」とヒカキンも心配の様子。勝負が決した8ラウンドには「『何でこいつ倒れないんだろう』って思っているんですかね」など、ディパエンのタフさに驚く井上の心中を推察した。
その後、試合後にマイクを握った井上は「戦前の予想、期待を遥かに下回る試合をしてしまい申し訳ありませんでした」と開口一番、ファンに謝罪。そのうえで「ディパエン選手、ほんとタフで。向かい合ったときに何かを狙っているなという雰囲気を感じた。根性も感じたのでこういう試合展開になってしまったけど、今後も期待していください」と続けた。
さらに“手応え”について聞かれた井上が「この試合に向けて練習してきたリードジャブ、手応えあったんですけど。やってる最中、『これ効いてるのか』っていうくらい表情も出さず、淡々とタフさを出してきたので、やってるこっちがメンタルやられそうで…『あれ、俺パンチないのかな?』と感じてしまうくらいタフだった」と本音を明かすと会場からは笑いが起こった。
この井上のマイクを受け、ヒカキンは「あ、合ってたと思って(笑)。モンスターも困惑するぐらい、相手もタフだったんだな」と話すと「これでモンスターもまた強くなったんだろうな」と興奮冷めやらぬ様子で語った。
また、井上が「8ラウンドもかけてしまって」などとも述べたことについては「お客さんから『それは見たかったからいいんだよ』という歓声が上がっていて、それは異例だと思いました」と改めてモンスター・井上尚弥の存在が特別であることに言及した。
一連のヒカキンの解説を受け、ABEMAの視聴者からは「ヒカキンは格闘好きなだけあって好感もてる」「HIKAKIN解説うまい」「HIKAKIN格闘技のコメンテーター向いてる」などの好意的な声が多数上がっていた。
写真/aflo