「戦争のときの話、何か覚えていることある?」
「食べ物もなかったよ。うちの父親が家の外に防空壕を掘って」
TikTokでは、孫に向けて自身の経験談を語るおばあちゃんの動画が話題になっている。おばあちゃんが語るのは、幼い頃に経験した“戦争の記憶”だ。
【映像】「隠れる稽古ばっか」戦争体験を語るおばあちゃん(TikTok動画)
今年9月に投稿された動画が反響を呼び、これまでに再生数は300万回以上を記録(※数字は2021年12月24日時点)。ネットでは、「多くの人に聞いてほしいお話」「こういう話が動画で残るのはほんとに意義あること」と称賛する声が上がっている。
“戦時中の食事”や“戦場へ赴く兵士とのやり取り”など、教科書では知ることのできないストーリーの数々――。この動画を撮影し、TikTokに投稿したのは孫のyoshinoさん。祖父母と過ごす機会が増えたことをきっかけに、おばあちゃんとの日常を収めた動画を投稿するようになったという。
「普段から日常会話を投稿していたが、祖母の“戦時中の話”もずっと行われていた会話だった。それをいつも通りの感じで投稿したら、反響がいつもと違った」(以下、孫・yoshinoさん)
おばあちゃんの経験談の中で、yoshinoさんが特に印象的だと語るのがこちらのエピソード。
「学校は行ったけど、隠れる稽古ばっかだわ。(警報が)ウーって鳴ると、隠れたり土に伏せたり。勉強なんかしなかった」
1日中、学校で隠れる練習をしていたと話すおばあちゃん。勉強どころではない……日々生きるために必死だった戦時中の記憶に、yoshinoさんは衝撃を受けたそうだ。
「私は学校で隠れる練習をしたことがないので、ちょっと想像ができない。(戦後の)世界を生きているので、『本当にこの日本で起きていたことなのか』といつも信じられないような気持ちになる」
終戦から76年。当時の記憶を知る人も徐々に減っている。コロナ禍で人と集まることも満足にできない中、SNSで戦争の記憶を伝えるということは新たな継承の形なのかもしれない。
「(おばあちゃんは)未だにTikTokって発音ができなくて、(SNSのことも)よく分かっていないけど、全国の方から応援していただいているのはすごく嬉しいみたいで。感謝の気持ちをよく伝えてくれる。投稿するたびに『(おばあちゃんの話を)もっと聞きたい』というコメントをいただいているので、そういうものが撮れたときは優先的に投稿したいと思っています」
(『ABEMAヒルズ』より)
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