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 個性豊かな弁護士たちが99.9%逆転不可能な刑事事件に挑むさまを描いた大ヒットドラマの映画版『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』が大ヒット上映中。三代目ヒロインとして杉咲花が登場する。

 杉咲が演じるのは司法修習を終えたばかりの新米弁護士・河野穂乃果(こうの・ほのか)。主演の松本潤演じる弁護士・深山大翔と初めての刑事事件で出会い対立するが、ある出来事をきっかけに、彼らと0.1%の事実を求めて奮闘することになる。ドラマ版のファンだったという杉咲は撮影前に何を思い、クランクアップしてからどんな気持ちになったのか。話を聞いた。

この作品に参加できることに喜び「ついに完成したんだ!」

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映画版『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』より

 本作は2016年4月期にドラマのSEASONⅠ、2018年1月期にSEASONⅡが放送され、映画版と公開前日に放送されたSPドラマはシリーズ第3弾として製作された。

 杉咲に映画版のオファーが届いた時について聞くと「自分も参加させていただけることをうれしく感じました。出来上がった映像を見た時は『ついに完成したんだ!』という思いで感動しました」と微笑む。

 映画版には、座長である松本をはじめ、香川照之などといった斑目法律事務所メンバーが続投された。既にチームワークばっちりの撮影現場。そのため三代目ヒロインの杉咲はクランクインの日、独特の緊張感があったという。

 「長い時間をかけて『99.9』を作ってきたスタッフ、キャストの皆さんがいらっしゃるので、そこにどう自分が溶け込んでいけるだろうか、穂乃果としてどんなお芝居ができるだろうかという緊張感がありました。そんな中、現場でリュックを背負って紺色のスーツを着ていらっしゃる松本さんを見た時『深山先生がいる!』と、この作品に自分も携わらせていただける喜びを改めて感じたりもして、とても嬉しくなりました」。

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 撮影初日に緊張を和らげることが出来たという。「クランクインの日に、木村(ひさし)監督から急遽台詞を追加された時、“この作品の世界観はこうやって作られていくんだ”と思ったんです。そこからは難しく考えずに身を任せて、監督の思い描く穂乃果像に近づいていきたいなという思いで取り組んでいきました」と明かした。

独特のテンポ感でシーンを作り上げる『99.9』チーム、緻密な作戦会議

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映画版『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』より

 映画版は事件、敵、トリック、ギャグといったおなじみの要素すべてがパワーアップして制作された。杉咲演じる穂乃果も強烈なキャラクターを仕上げ、作品の中では松本演じる深山と絶妙な掛け合いを繰り広げている。杉咲は穂乃果というキャラクターを演じるにあたり監督から刺激を受けたという。

 「現場入りしてみると、木村監督がその場で仰ることを、次々とキャラクターに付け加えていくということが多くて。自分が想像していた穂乃果いう人物から新しい一面がどんどん見えてきて、刺激的な経験になりました」。

 穂乃果は漫画好きのキャラクター。しかし元々、台本には“漫画好き”という設定は書かれてなく、これも木村監督が現場で足したアイデアなのだという。

 「穂乃果には個性的な決めポーズがあり、それも本番の直前に監督からリクエストされるということが多かったのですが、クランクインして3週間ほど経った頃、そのポーズは穂乃果が好きな漫画のキャラクター・ロボット弁護士Bを意識したものだったと知って、全てがつながったような感覚になりました(笑)」。

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 そんな木村監督の印象について聞くと「突然台本に書いていない演出を受けることがあっても、こうすることでもっと面白くなるんだろうなという説得力がすごくあって。だから皆さんも全てを委ねているというか、“どんどんやっていこう”という空気が現場にあふれているのかなと感じました」と明かす。

 映画版もテンポ感が良く、小ネタも満載。実力派俳優たちがアドリブであのテンポ感を形成しているようにも思うが、実は撮影前に緻密な作戦会議が行われているという。

 「撮影が始まるギリギリまで皆さんと読み合わせをして『ここはもっとテンポを早めた方が良いかもね』とか『そのセリフ、言いにくそうだから、こういう風に変えてみたら?』など、お互いにアドバイスを出し合っていたんです。アドリブもたくさんあったのですが、事前に話し合って、細かく作り上げていくことが多くて。現場に入ってみないとわからない、驚きや発見がたくさんありました」。

松本潤は「プロフェッショナル。作品や仲間に対する愛情も深い」

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 主演の松本とは今作が初共演。撮影を通じ「松本さんの座長としての姿に多くのことを学ばせてもらいました」と振り返る。

 「松本さんはすごくプロフェッショナルで作品や仲間に対する愛情が深い方。スタッフさんみんなの名前を覚えて、積極的にコミュニケーションを取ったり、全ての部署が円滑に進むように気づいたことは声に出して伝える姿を見て、本当に現場の全員から信頼されている座長で、勉強になることがたくさんありました」。

 大御所俳優・香川との共演にも刺激を受けた。「香川さんは本番中にどんなことが起こっても、その場で臨機応変に対応されるので“本当にすごい方だな”と思いました」と明かす。それから「私も皆さんについていきたい!という思いで臨ませていただいていたのですが、どんな些細なことでもすぐにリアクションしてくださるんです。香川さんが面白すぎて、笑ってしまうことも何度もありました。そこは悔しかったです(笑)」と笑顔で本音をこぼした。

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 2021年も数々の作品で存在感を発揮し、1年を駆け抜けた。杉咲自身も「たくさんの方々と密に関わることが多かった」と振り返る。そんな彼女に2022年してみたいことについて聞くと「母親と京都旅行に行きたいです」と笑顔で明かす。

 「気になるお店や美味しそうなご飯屋さんが多いので気になっていて。仕事で行ったことはあるのですが、旅行で訪れたことはまだないので、もしもこの状況が落ち着いていたら、行けるといいなと思います」。

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テキスト・取材:中山洋平
撮影:You Ishii

『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』

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TBSテレビで2016年、2018年に放送され大人気を博した松本潤主演の連続ドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」の映画版。個性豊かな弁護士たちが、ぶつかり合いながらも99.9%逆転不可能な刑事事件に挑んでいく、新感覚の痛快リーガル・エンタテインメント。松本演じる超型破りな弁護士・深山と香川照之演じる敏腕弁護士・佐田の名コンビに、杉咲花演じる新米弁護士・河野穂乃果が加わりさらにパワーアップした “チーム99.9”、現在大ヒット上映中だ。

【映画概要】
『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』
出演:松本潤 香川照之 杉咲花 片桐仁 マギー 馬場園梓 馬場徹 映美くらら
西島秀俊 / 道枝駿佑 蒔田彩珠 / 池田貴史 岸井ゆきの 高橋克実 石橋蓮司
榮倉奈々 木村文乃 青木崇高 / 奥田瑛二 笑福亭鶴瓶 / 岸部一徳

©2021『99.9-THE MOVIE』製作委員会

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