コンドームのつけ方や、生理ナプキンの捨て方など、性に関することに特化したイラストが多数公開されている無料イラスト素材集『性教育いらすと』。
先月、公開がスタートしたこのサイトでは、性教育に関する様々なイラストを誰もが無料で保存・利用することができる。
例えば、学校での性教育の授業でのスライドに使ったり、講演会の資料で使用したりと、その使い道は様々。サイトを公開後、ネットからは「凄いな、これホントに日本の教職員救うかも」「すごくいい素材集だと思う」など称賛の声が寄せられている。
発起人となったのは、グラフィックデザイナーの佐藤ちとさん。サイトの立ち上げ以前から、性教育に関する漫画をSNSに投稿していた佐藤さんは、学生時代の自身の経験がきっかけとなり、性教育の重要性を痛感する。
「(もともと)生理前に地獄のような日々を送っていました。性に関する知識を学んで、低用量ピルが生理を軽くする薬だと初めて知り、そこから婦人科に受診するようになりました。その後、人並みくらいに抑えられるようになってきて『これは知識があるないで、全然違うな』ということを初めて自分自身が体験して知りました」
さらに学生時代、性教育に関するイラスト制作の依頼を数多く受けたということもあり
佐藤さんはサイトの立ち上げを決意する。
「今までの既存のサイトだと、割りと大まかなイラストはあるんですけど、わりとマニアックなとこで使える、かゆいところに手が届くようなイラストが無かったんです」
去年3月、実施したクラウドファンディング(※現在は終了)では、当初の予定を大幅に超える支援が寄せられた。それも後押しし、先月『性教育いらすと』は公開を迎えた。
佐藤さんは、イラストを無料で公開する理由について「性教育を発信していく中で、素材を使うことに対してハードルを持ってほしくない」と話した。続けて「実際に『発信して』という人の中には、イラストがかけなくて有料で使うしかない人がいる。イラスト代は安くても2000,3000円。イラストを使うこと自体がハードルになって発信しづらくなることが嫌だったんです」と明かした。
佐藤さんの願いは、イラストひとつひとつに現れている。中でもこだわったのは、性教育を行う際に問題視されがちな“生々しさ”をどう取り除くかだったという。
「イラストから性教育っていうのは『いやらしいものではないですよ』ということを伝えられるような、柔らかくて温かみのあるイラストのテイストを書くように心がけています。コンドーム生理用品というところが、直接的で結構生々しい表現だったりすることも多くて。イラストだけでも敬遠されがちなんですけど、イラストの方から雰囲気を出して温かみあるところを心がけています」
すでに海外からもアクセスが殺到しているという『性教育いらすと』。今後も随時リニューアルを重ね、よりよいサイト作りをしていきたいと話す。
「一番望んでいるのが、日本に性教育が普及しているのが、当たり前の世の中になってほしいです。性教育イラストを街中で目にする機会が増えるということは、世の中で性にまつわる知識を発信している人が増えている、それがより多くの人の目に留まる機会が増えているということだと思うので、今後たくさんのイラストを目にすることを楽しみにしています」
(『ABEMAヒルズ』より)
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