独自ルールを設けて行われたグラップリング大会で、顔面破壊の衝撃TKO決着が起こり、視聴者が騒然とする一幕があった。
1月10日、独自ルールを定めて行われたグラップリング大会「IRE(今成ロール・エクスタシィ)」で倉本一真(修斗GYM東京)と寒河江寿康(今成柔術)が対戦。試合は倉本の強烈な掌底により、寒河江が試合続行不可能となる負傷を顔面に受けて衝撃のTKO決着となった。また、ルール解釈を巡っては視聴者の間で議論が交わされる一幕もあった。
「IRE」は“足関十段”こと今成正和が提唱する新たなグラップリングルールによる大会。7分間1ラウンド、グラップリングをベースにスタンドでの投げ、グランド状態での掌底を認めた独自ルールで行われる。
開始直後、倉本が組みながら片膝をマットにつき、下から突き上げる掌底。その後、低いレスリングスタイルで構える倉本は、再び「バチッ」と強烈な左の掌底を繰り出す。ヒザをついたまま放った打撃に試合を中継したABEMAの視聴者からは「スタンドでは」「ヒザをついてる」など、さまざまな反応が寄せられた。
勢いそのままにテイクダウンを奪った倉本は、ガブリながらシングルバックの体勢で潜り込むと掌底を連打。ここで寒河江の状態に異変を感じたレフェリーが試合を止めると、次の瞬間、画面に映し出された寒河江は右目が大きく腫れ、鼻から出血するなど、まるで“顔面破壊”状態。放送席から何とも言えない叫び声が上がると、視聴者からも「鼻が折れてる?」「顔ヤバい」「これはストップでしょ」など驚きと心配の声が続々上がった。直後、ドクターの診断を受けた寒河江は続行不可能と判断され、TKO負けが宣告された。
ヒザつき掌底に対しては「反則では?」「いや、ヒザをついていたから反則ではない」などの両論が。さらに寒河江を圧倒した倉本に対しては「倉本やべぇ」「強い」「ぼっこぼこやん」など称賛の声も聞かれた。
この試合の解説を務めた大沢ケンジは「このルール面白いですね」と“打撃あり”のグラップリングについて興奮気味にコメント。ゲスト解説も「結果論ですけど、変に付き合わないで引き込んでやってれば寒河江さんが(勝てた)…と思ったんですけど。もっと攻防が観たかった」など、試合時間わずか1分58秒で訪れた衝撃の結末を振り返った。
試合前、倉本は掌底での打撃について「掌底は手の付け根で殴るのでグローブでのパウンドより効く。顔がぺしゃんこになる」などのコメントを残していたが、その言葉を証明するような完勝ぶり。試合後にマイクを握った倉本は「まだ掌底も練習してきたし、本当は投げたかったし、もうちょっと試合もしたかった」と述べると「僕はMMA選手なんで、またMMAで、RIZINで、修斗で勝ち上がりたい」と締めくくった。
衝撃結末の興奮冷めやらぬ中、淡々とマイクで語った倉本とは対照的に視聴者からは「MMAより危険な気がする」「往年のパンクラスのようだ」「掌底の恐ろしさを見た」「このルールは面白い」など、興奮気味の声が多数寄せられていた。
※「寝技状態からの掌底(打撃)」を認めるIRE独自ルールに対して、倉本選手が片膝をついて放った掌底について「反則行為」とする表現がありました。主催者に確認したところ倉本選手は事前に審判に確認済みであり、正当な打撃であるため記事を訂正しております。